新時代のマネー戦略

マイホーム購入は、オリンピック後か今か (1/2ページ)

畠中雅子
畠中雅子

 地価は自分の欲しい地域だけに注目する

 ファイナンシャルプランナー(FP)の畠中雅子です。生活設計のご相談を受けていると、マイホーム購入については「東京オリンピックが終わったら、住宅価格が下がるはずなので、下がってから買いたい」という声をよく耳にします。オリンピック後に価格が下落する地域はあるかもしれませんが、大切なのは、自分が購入しようと思うエリアの地価や住宅価格の動向です。オリンピックが延期になったこともあり、住宅価格や地価の動向はより不透明になったと感じています。

 ここ数年の公示地価をチェックしてみると、人気のエリアでも、地価が上下していますし、駅からの距離によっても地価の動き方が異なります。要するに、「オリンピック後」などというあやふやな計画は、購入リスクを伴う可能性があるということです。加えて、自分が欲しいタイミングで、気に入った場所のマイホームを手にできる保証はどこにもありません。世の中全体の動きをなんとなく感じとって、できるだけ有利なときに購入しようと考えるよりも、「自分自身の生活設計の中では、マイホーム購入はいつがよいのか」という視点で考えるべきだと思います。

 新型コロナウイルスの影響で残業代が出なくなったり、仕事そのものがキャンセルになった方もいるはずで、マイホームを購入しようとするモチベーションは上がらないかもしれません。

 また、マイホームを買うか、賃貸で過ごすかは、個人の自由です。ただし、購入の方向で検討しているご家庭は、早めの実行をおすすめします。購入年齢が上がるほど、定年退職時に住宅ローン残高が多く残ってしまい、老後の生活を厳しくするからです。

 「マイホームVS賃貸暮らし」に一律の答えはない

 ちなみに、ご相談の中で「マイホーム購入が得か、賃貸暮らしが得か」を問われる機会がありますが、その比較に意味はありません。たとえば、「マイホームには長期の住宅ローンを払い終えなければならないリスク」があり、「賃貸住まいには老後の家賃分も現役時代に貯めなければならないリスク」があるからです。性質の異なるリスクを比較して損得を語っても意味がないと、個人的には考えています。

 実際のところ、マイホーム購入が得か、賃貸住まいが得かといったシミュレーションをしても、前提条件を少し変えるだけで、有利不利が変わります。損得に決定打はないと考えるのが適切ではないでしょうか。

 「ずっと、賃貸住まいが良い」と考える方は、損得で住まいを考えるよりも、老後の家賃分を貯めることに注力しましょう。マイホームが欲しいと思っている方は、オリンピックといった、個々の家計にとっては外的要因ともいえる要素に目を向けすぎず、早めに購入計画を立て、物件探しに着手することをおすすめします。

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