乗るログ

オーナー自ら操るという選択肢 幽霊のように舞うロールス・ロイスのゴースト (1/3ページ)

SankeiBiz編集部

 ※現在、新型コロナウイルスの影響で【乗るログ】の取材を自粛しています。再開するまで当面の間、過去に注目を集めたアーカイブ記事を厳選して再掲載します。「そういえばこんなクルマも紹介していたなあ」と少しでも楽しんで頂ければ幸いです。記事の内容は基本的に掲載当時の情報となります。

 《2017年12月掲載》ロールス・ロイスといえば、ショーファードリブンと呼ばれる「運転手付きの高級車」をイメージされる方が多いのではないだろうか。実際、そのような用途に最も適したスーパーラグジュアリーの代名詞ともいえる存在なのだが、実はオーナー自ら運転する喜びを訴求したモデルも展開している。今回は4ドアサルーン「ゴースト」のハイパフォーマンスモデル、「ゴースト ブラック・バッジ」に試乗。往路は後席のパッセンジャーとして、復路はドライバーとして“未知の領域”に足を踏み入れてみた。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz編集部)

 リヤシートで味わう別世界

 ロールス・ロイスは1906年にイギリスで設立された超高級自動車メーカーだ。現行ラインアップの頂点に立つ「ファントム」をはじめ、歴代のロールス・ロイスには「幽霊」を意味する車名が多いのが特徴の一つ。その中でもゴーストはわれわれ日本人にとって最も馴染みのある、広く知られた単語だろう。ちょっと不気味で、どこか神秘的でもある車名を用いる理由は、「幽霊のように静かに動く」からだと言われている。

 ゴーストはロールス・ロイスの中で中核モデルの役割を担っているが、いざ目の前にすると言わずもがな立派な体躯をしている。威風堂々と構える伸びやかなボディは全長5399mm、全幅1948mm、全高1550mmを誇り、ホイールベースは3mを優に超える。パワートレーンは6.6LのV型12気筒ターボエンジンに8速ATが組み合わされ、標準モデルから42馬力も引き上げたブラック・バッジは612PSというハイパワーを絞り出す。

 いつもなら真っ先に運転席に収まるところだが、ロールス・ロイスならまずはショーファードリブンを試すのが定石だ。運転は同行した小島記者に任せ、筆者はコーチドアと呼ばれる観音開きのドアの奥に広がる後部座席に乗り込んだ。

 まだ心の準備が整わないまま大きなリヤシートに体を預けたのだが、その瞬間にこれまで取材してきたクルマでは味わうことのなかった未知の感覚が全方位から畳み掛けてきた。重厚感のある手縫いのレザーシートは何とも言えない不思議な触感で、筆者が知っている本革とは明らかに異なるものだ。クッション型のヘッドレストは、高級ホテルの枕のように後頭部を優しく包み込む。足元には毛足の長いラムウールのフロアマットがびっしりと敷き詰めてあり、足裏と床の接地感は浮いているかのようにほぼ皆無。「ガチャン」ではなく「カッ…チャン…」としっとり上品にクローズするコーチドアは、まるで重厚な金庫の扉を閉めるかのような所作だ。レッグスペースは脚を組んでも前席が遠く感じるほど広々。重みのあるシートバックテーブルは高級家具のように質感が高い。灰皿もタバコを吸うためというよりは、葉巻を置くためのホルダーを取り付けたシガー用であることが分かる。これでもすでに驚きの連続だったが、カルチャーショックの極めつけは、真昼間の天井に広がる“満天の星空”だった。これは1300個超の光ファイバーライトを高級レザーの中に張り巡らせた「スターライト・ヘッドライナー」という装飾で、何とオーナーが選んだ星座を描いてもらうこともできるそうだ。これはあくまでオプション装備なので、不要と思えば取り付けないという選択肢もちゃんとある。

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