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コロナ禍で全国のエンゲル係数減少 それでも大阪は「上昇」の怪 (1/2ページ)

 家計支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」。新型コロナウイルスの感染拡大により外食の機会が減ったためか、全国の勤労者世帯(2人以上)の3月数値は2月と比べて減少したが、大阪市では逆に増加し、「食い倒れの街」の健在ぶりを示した形となった。

 エンゲル係数は「所得が高くなるにつれて低くなり、所得が低くなるにつれて高くなる」とされる。

 日本では、戦後間もないころは60%台だったが、高度経済成長にあわせて低下。平成に入っても低水準で推移していた。しかし、22年ごろから増加に転じており、今年2月には25%まで上昇、支出の4分の1を食費が占めた。

 背景には、高齢化や単身化による世帯収入の減少や昨年10月の消費税増税などに加え、共働き世帯での外食や、総菜や弁当などを買って家で食べる中食(なかしょく)の頻度上昇によって食費の割合が高くなったことが挙げられている。

 だが新型コロナの感染拡大で全国的に外出を控え、飲食店が営業を自粛し始めた3月は24・6%と減少に転じた。岐阜大教育学部の大藪千穂教授(家庭経済学)は「食費の中で大きな割合を占める外食の機会が減ったことが影響しているとみられる」と分析する。営業を続けているスーパーなどの食料品店で食材を購入し、自炊する世帯が多くなった結果が、エンゲル係数の減少につながったようだ。

 ところが、大阪市の3月のエンゲル係数は前月比3ポイント増の27・7%。都市部は地方よりも収入が多い傾向があり、教育費や遊興費など家計の支出の種類も広がることから、エンゲル係数は相対的に低くなる傾向が指摘されているが、「食い倒れの街」大阪は別のようだ。

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