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4千万円の超高級車に乗る価値とは ロールス・ロイスのオープンカー・ドーン (1/3ページ)

SankeiBiz編集部

 ※現在、新型コロナウイルスの影響で【乗るログ】の取材を自粛しています。再開するまで当面の間、過去に注目を集めたアーカイブ記事を厳選して再掲載します。「そういえばこんなクルマも紹介していたなあ」と少しでも楽しんで頂ければ幸いです。記事の内容は基本的に掲載当時の情報となります。

 《2017年12月掲載》前回のゴーストに続いて紹介するのは、ロールス・ロイスの4シーター・コンバーチブル「ドーン」だ。青空が広がる箱根や都心のオフィス街を舞台に、真冬のオープン走行を敢行してドライブフィールをチェック。4000万円近い超高級車に乗る価値とは何なのか、庶民なりに考えてみた。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz編集部)

 「幽霊」を名乗らないドーン

 前回のゴーストの記事でも触れたが、歴代のロールス・ロイスには『幽霊』にまつわる車名が多い。現行ラインアップでいえば、頂点に君臨するファントム(Phantom)やスポーツクーペのレイス(Wraith)がそうだ。しかし、このレイスをベースに開発されたオープントップ・モデルのドーン(Dawn)は英語で「夜明け」を意味する。

 『長い夜が明ければ幽霊たちは姿を消し、日の光を浴びて目覚めたドーンが走り出す』

 このクルマはそんなメッセージを発しているのだろうかと、勝手に想像してみた。やはりドーンが一番輝くのは、ルーフを開けて走る明るい時間帯だろう。

 地下駐車場で待っていた広報車は、鮮やかなライトブルーのボディにシルバーのボンネットをかぶせた“インスタ映え”するツートーン仕立て。写真撮影にはもってこいのポップなカラーリングであると同時に、「これ、めちゃくちゃ目立つヤツじゃん」と一瞬たじろぎ、その威風堂々とした外観とド派手なカラーのギャップに思わず吹き出す。人前でぶつけるのだけは勘弁だ。

 ドーンを前にして「一体、どんな人がロールス・ロイスを買うのだろうか」などと考えてみた。「全てにおいて最高のものを作る」という同社の哲学に共感した人もいれば、ビジネスで成功した自分へのご褒美に購入する人もいるだろう。さらには「周りから見られている」という意識から、富裕層のマストアイテムとして所有する人もいるはずである。腕時計でいえば、スイスの「パテック フィリップ」のような存在だ。ちなみに2016年の世界販売台数は4011台。内訳を見ると北米(30%)、欧州(25%)、中東(15%)の順番で、日本では223台が売れたそうだ。

 豪華絢爛のインテリア

 全長5285mm、全幅1947mm、ホイールベース3112mmといった寸法や、6.6LのV12ターボエンジンというスペックは、ベース車両のレイスと全く同じ。571馬力、780Nmなどの動力性能はレイスに一歩譲るものの、約2.6tの巨体ながら0-100km/h加速を5秒フラット、最高時速250km/hをたたき出すのだから、こちらもある意味「化け物」だ。見た目の華やかさなら、間違いなくドーンが勝る。

 高級家具のようにがっしりと大きいレザーシートに収まり、観音開きのドアを閉めようとするが、グリップをつかもうにもドアの先端が着座位置からかなり遠い。ここで前かがみになり腕をめいいっぱい伸ばして「よいしょー!」と閉めてはお里が知れる。ロールス・ロイスのドライバーは車内のボタンを押しながら電動でスマートに閉めるのだ(筆者はたまたま「DOOR」と書かれたボタンを見つけたため、その場で広報担当に確認することで恥をかかずに済んだ…!)。

 インテリアはとにかく豪華。中でもひと際目を引くのが、ダッシュボードからドアパネル、後席背後のリヤデッキまでキャビン内をぐるりと囲むウッドパネルだ。これだけ大胆かつ贅沢に木材を敷き詰めたクルマは恐らく他にないだろう。ちなみに広報車はパルダオという高級木材を使用しているそうだ。ほかにも本革や金属パーツをふんだんに用いるなど、3つの異なる素材を見事に調和させている。一歩間違えれば下品ともとられかねない組み合わせだが、これらの素材を華麗で上品なパッケージに仕立てる職人たちの技巧には脱帽するばかりだ。内装に関しては職人らと直接相談することが可能で、どんなに細かい要望にも応えてくれるという。これは英語で「bespoke」(ビスポーク)と呼ばれるもので、ロールス・ロイスでは採寸して仕立てたスーツのように、自分のクルマをオーダーメイドすることができる。

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