ヘルスケア

新潟県、診察外来とPCR検査を一体化 第2波に備え

 新型コロナウイルス感染拡大の第2波に備えて、新潟県は、感染の疑いがある人を診察する「診察外来」と、検体採取を行う「PCR検査センター」を一体化した施設を新潟市内に6月1日開設する。診察と検体採取をワンストップで行うことにより、診療の効率化と検査能力の拡充を図る。地域の自治体と医師会が連携してこうした施設を開設するのは全国的にも珍しいという。

 施設の名称は「新潟市医師会新型コロナ相談外来」で、県から委託を受けた同市医師会が運営する。同市内の医療機関(非公表)の駐車場を利用し、受け付けから検温、診察、検体採取まで車に乗ったままドライブスルー方式で行う。所要時間は10分ほど。

 診察は、受診者が持ってきたスマートフォンと診察ブース内に設置されたパソコンを使ってオンラインで行う。検体は県外の民間検査機関に送り、検査結果はかかりつけ医から受診者に伝えられる。

 月曜日から金曜日までの週5日、午前9時から正午まで実施し、当面1日当たり約20人(週約100人)を受け入れる。同市在住者だけでなく、市外の人も利用できる。健康保険証が必要で、初診料や検体採取料などは自己負担となる。

 発熱や味覚障害、呼吸器に症状があるなど感染が疑われる人はまず、かかりつけ医に相談するか診察を受け、かかりつけ医の紹介で同相談外来を予約する仕組みになっている。

 県の資料によると、県内の1週間ごとのPCR検査数が最も多かったのは、4月22~28日の532件。同相談外来の週約100件はピーク時の検査数の約2割に相当する。「新潟市周辺の検査能力はかなり拡充される」(県福祉保健部の松本晴樹部長)という。

 28日午後、相談外来を視察した花角(はなずみ)英世知事は「かかりつけ医の判断で診察とPCR検査を一体でできるようになれば、県民に大きな安心を与えるとともに、医療関係者の感染防止にも役立つと思う」と語った。

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