お金で損する人・得する人

手を挙げないともらい損ねるかも コロナ支援で受け取れるお金 (3/3ページ)

高橋成壽
高橋成壽

 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業

 小学校等が休校になった場合に、保護者が休業できず、放課後児童クラブ(学童保育等)も利用できずにベビーシッターを利用する場合の補助金です。従来1日2,200円(チケット1枚分)の利用まででしたが、1日11,000円分(チケット5枚分)利用まで増額となります。1カ月の上限利用枚数は24枚から120枚に増加しています。企業にお勤めの方は、勤務先を通じて利用します。個人事業主の方は全国保育サービス協会から委託を受けた団体を通じての利用となります。

 社会保険料、公共料金等の支払い猶予

 社会保険や公共料金の支払いについても、支払い猶予、免除などができる可能性があります。

(1)電気・ガス・電話料金、NHK受信料の支払い猶予

(2)国税、地方税の納税猶予

(3)国民健康保険料、国民年金保険料、後期高齢者医療制度保険料、介護保険料の減免

※上下水道、公営住宅の家賃支払いなどは、行政から支払い猶予などの要請が出ていますので、連絡し交渉してみるといいでしょう。

 個人事業主・フリーランスで仕事をしている人には

 セーフティネットで見逃されがちな、個人事業主やフリーランスの人向けには、金融機関からの支援や公的な給付金もありますので、対象となる人は確認してください。

・政府系金融機関からの実質無利子・無担保融資

・民間金融機関からの実質無利子・無担保融資

・個人事業者へ最大100万円の持続化給付金

 仕事をしていない人や求職中の人には

 (1)生活困窮者自立支援制度に基づく生活相談

 生活困窮者に対する支援です。1就労支援・就労準備支援、2家計改善支援、3住居各給付金(前述)、4一時生活支援などを実施しています。お住まいの市町村に問い合わせる窓口があります。

 (2)生活保護

 今回の新型コロナウイルス感染症の影響で利用申請が増えているのが生活保護です。働いていない人だけでなく、働いても生活するには収入が足りない人も利用できる可能性があります。ただし、不動産、自動車、一定の預貯金などがある場合は利用ができない場合もあります。お住まいの自治体の福祉事務所が窓口となっています。

 沢山ありすぎて読むのが大変ですが、個人向け、企業向け、個人事業・フリーランス向け、学生向け、生活困窮者向け、失業者向けなどもれなくカバーできるように官民一体となって取り組んでいます。まずは、ご自身が対象となるかどうかを確認することから始めてください。なるべく早く連絡して、期限切れとならないよう注意してください。

高橋成壽(たかはし・なるひさ)
高橋成壽(たかはし・なるひさ) ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
寿FPコンサルティング株式会社代表取締役
1978年生まれ。神奈川県出身。慶応義塾大学総合政策学部卒。金融業界での実務経験を経て2007年にFP会社「寿コンサルティング」を設立。顧客は上場企業の経営者からシングルマザーまで幅広い。専門家ネットワークを活用し、お金に困らない仕組みづくりと豊かな人生設計の提供に励む。著書に「ダンナの遺産を子どもに相続させないで」(廣済堂出版)。無料のFP相談を提供する「ライフプランの窓口」では事務局を務める。

【お金で損する人・得する人】は、FPなどお金のプロたちが、将来後悔しないため、制度に“搾取”されないため知っておきたいお金に関わるノウハウをわかりやすく解説する連載コラムです。アーカイブはこちら

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