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異次元の速さにドライバー自ら車酔い レクサスのレーシングカーで富士に挑む (1/3ページ)

SankeiBiz編集部

 ※現在、新型コロナウイルスの影響で【乗るログ】の取材を自粛しています。再開するまで当面の間、過去に注目を集めたアーカイブ記事を厳選して再掲載します。記事の内容は基本的に掲載当時の情報となります。

 《2017年10月掲載》今週は霊峰富士を望む高速テクニカルサーキット「富士スピードウェイ」が舞台だ。ヘルメットとレーシングスーツに身を固めて乗り込んだのは、高性能クーペ「RC F」をベースに開発したレクサスのレーシングカー「RC F GTコンセプト」。このマシンは「レース経験のない人でも扱えるレーシングカー」をコンセプトに開発されているのが特徴だ。時折、大粒の雨が激しく路面をたたく富士のメインコースで、ドライブパフォーマンスを確かめてきた。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz編集部)

 RC Fを進化させたレーシングカー

 ピットガレージからメインストレートに目をやると、1台のレーシングカーが爆音を轟かせながら一瞬で走り去っていった。大砲から放たれた弾丸を連想させるような猛烈な速度感。実はスーパーGTに参戦する現役プロドライバーが、筆者がこれから運転するRC F GTコンセプトのウォームアップ走行を代わりに行っているのだ。

 今回の試乗はレクサスに誘ってもらう形で実現した。一般参加者を対象に定期的に開催される「レクサス・アメージング・エクスペリエンス」というイベントの前日に、メディア向け試乗会が行われたのだ。筆者がこのイベントに参加するのはこれが2回目。前回はスーパーカーの「LFA」など複数の市販車を運転したが、RC F GTコンセプトに乗るのは初めてとなる。

 RC F GTコンセプトは、ベース車両のRC Fを300kgほど軽量化して車重1493kgとし、パワーウェイトレシオを3.75kg/psから3.13kg/psに改善して動力性能を引き上げたマシン。さらにウイングやスポイラーなどのエアロパーツを装着して空力性能を向上させ、車内にアルミパイプを組み合わせたロールケージと呼ばれる補強フレームを張り巡らせて剛性もアップ。レース用ブレーキを装着した足回りに極太スリックタイヤ(溝のないタイヤ)を履かせた正真正銘のレーシングカーとなる。477馬力/7100rpmを発生する5LのV8自然吸気(NA)エンジンや8速ATのトランスミッションはRC Fと同じユニットを流用することで、レース経験のない人でも運転しやすいマシンに仕上げてあるという。ただし、ベース車両と近似性があるのはこのパワートレインのみだ。

 用意されたレーシングスーツに着替え、フェイスマスクとフルフェイスの競技用ヘルメットを着用する。ヘルメットは想像以上に重さがあり、何とも言えぬ圧迫感が顔全体を包む。視界は思っていたよりも狭く、視線を下にうつしても足元が全く見えない。口元がマスクとクッションパッドで覆われているため、呼吸をすると息がこもるような生暖かい感覚がある。2時間を超える夏場のレースはドライバーにとってさぞかし地獄だろう。

 乗り込むだけで一苦労

 今回、筆者を指導してくれるのは人気ドライバーの大嶋和也選手。マシンを運転する前に、まずは乗り降りの練習を行った。というのも、レース中のドライバー交代もそうだが、万が一の事故の場合は、マシンから迅速に脱出しなければならない。まずはそのための訓練を行うのだ。これが想像以上に難しい。とにかくドアの開口部が狭いのだ。マシンに乗り込む際に、ハードルを跳び越えるように右脚を蹴り上げてロールケージのバーを乗り越え、バケットシートをよけながら狭隘な空間にスルリと滑り込まなければならない。その際に右手で天井のロールケージをつかみながら乗り込むのだが、どうしてもヘルメットがルーフに当たってしまう。大人が高さ1m弱の空間に素早く入り込むのは容易ではない。

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