受験指導の現場から

算数・数学はいつ役に立つ? 人生に立ちはだかるSPIというハードル (1/2ページ)

吉田克己
吉田克己

 今回のテーマはSPIである。適性検査のひとつだが、SPIというと、就職氷河期世代より若い世代なら、「あぁ、就活の時に受けさせられたやつか…」と、ある意味、懐かしくもあり、人によっては苦々しい思い出だろう。

 かくいう筆者も就職先に受けさせられた覚えがある。ただし、入社前ではなく内定者研修の時にである。どうやら、会社が内定者の配属先を決める際の参考にしていたようだ。

 現在、SPIは企業が一次選考での足切りのために就活生に課す試験、という位置付けになっている。一説によると、誰もが知っているような有名企業だと、9割以上の正答率がないと足切りの対象になるらしい。

 中学受験・受検よりは易しいSPIではあるが…

 じつは筆者、今年度から某校で就職試験対策講座を担当することになった。もう少し限定すると、SPIの非言語領域である。

 新型コロナの影響で、今年度の授業開始は6月に入ってからになったのであるが、授業で使用するテキストを受け取り、さっそく目を通したところ…学習範囲はざっと、「割合と比(損益、割引、代金精算、分割払い)」「場合の数・確率」「速さと比」「表・資料・長文の読み取り」「推論(パターンは多岐に亘る)」「集合」「図形・グラフ」…といった具合である。

 中・高受験との対応で捉えると、SPIの種別(H、U、G)によって多少の差はあるが、おおむね小5~中2の学習範囲に論理思考(と中3数学と数ⅠAのごく一部)をプラスしたような内容であり、難易度的には中学受験・受検よりもかなり易しい。中学受験・受検間近の6年生で、大手塾の中位クラスの上位にいる生徒であれば、8割前後正解できても不思議ではない。当然、都立高校の共通問題(数学)よりも(出題範囲と質は異なるが)易しい(一般的に、高校受験の数学よりも中学受験・受検の算数のほうが、大人には難しい)。

 ただし、SPIは問題数の割に試験時間が短く、正確さとスピードが同時に要求される(処理能力を試される試験ということになる)。例えば、ペーパーテストの非言語では、選択形式ではあるものの、30問/40分である。

 しかし、である。中学受験の経験がなく、中学生のあいだに数学が苦手になってしまい、大学・短大・専門学校受験時に数学を必要としなかった学生にとっては、出題範囲が広めで正確さもスピードも必要となると、厳しい戦いになるであろうことは容易に想像できる。

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