クルマ三昧

ハリアーが賛否ある極細リアランプに拘ったワケ 雅やかな意匠に込めた先進性 (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 RAV4と対照的な都会派SUV

 新型ハリアーの話題騒然である。6月にプロトタイプの試乗を終えており、完成度の高さは確認済みだ。だがそれは公開ができないという理由でクローズドサーキットでのドライブだった。今回は晴れて公道をドライブすることが許されたのである。

 コンセプトは「都会的SUV」である。「Graceful Life」というキャッチフレーズを展開している。30歳代のビジネスエリートや50歳代のミドルエイジがターゲットだという。それだけに、洗練された印象が強い。同じプラットフォームを使い、同様のパワートレーンを搭載するRAV4がクロスカントリー色を強め、道無き道を突き進むスタイルにベクトルを定めたのとは対象的に、油臭さや泥まみれから決別した潔さが特徴だ。

 そんなハリアーで特に意識させられるのはそのデザインである。様々な角度から検証してみても、デザイン的な思索の数々が透けて見えるのだ。

 フロントのデザイン処理はハリアーの伝統的なものだ。エンジンを冷却するためのグリルは金属質な網ではなく、まるでEVを想像させる樹脂製の印象に近い。サイドに至る面構成は穏やかで艶やかだ。最近目につくガンダム的なゴツゴツ感は皆無であり、上品な面構成がリアエンドまで導かれるのが特徴だ。

 「雅」を強く意識

 車内に意識を転じると、個性的な造形が目に飛び込んでくる。もっとも特徴的なのは、センターコンソールであろう。乗馬の鞍をイメージしていることは明らかだ。素材は本革風であり、本来なら角があるはずのコンソールボックスをラウンドさせて包み込む。印象を崩さないように、電子パーキングブレーキなどのスイッチ類は別の場所に移されている。デザインテイストへのこだわりは並々ならぬものがある。

 スターターボタンは、コンソールの中に組み込まれている。デザイン的な違和感があるものの、唐突にそこに組み込んだのには、実は奥深い狙いがあった。ドライバーの所作を考えての位置決めなのだ。

 ドライバーが運転席に座る。ポジションをアジャストして、スターターボタンに手をかける。エンジンが始動するやいなやセレクターレバーを操作するまでの左手の導線が美しい。優雅な旋律を奏でる指揮者がふるタクトのように、優しく流れるのだ。開発責任者曰くテーマは「雅」だそうだ。

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