新時代のマネー戦略

40代になったら、知らないでは済まされない「親の介護」の基本 (1/2ページ)

岡本典子
岡本典子

 大まかにでもいいので予備知識を

 突然、親御さんの介護が必要になったらどうしますか? 人生100年時代と言われていますが、コロナショックにより皆さんの親御さんの日常生活にも様々な影響が出ているかもしれません。親が遠方にいてなかなか会えないので気づきにくいケースや、同居していても、日常生活に流され気づかないケースがあるかもしれません。あまり考えたくないし、まだまだ先のことと思われているかもしれません。しかし、いつか親に介護が必要になることも想定し、いざというときに慌てず、冷静な判断ができるよう、大まかな予備知識をインプットしておかれることをおすすめします。

 コロナの影響が親世代にもじわり

 高齢になっても、うちの親は元気で活動的だから大丈夫! と思っているかもしれません。趣味活動や地域活動、友人知人との語らいを可能な限り続けていきたいというモチベーションで、体力、気力を維持している方もたくさんいらっしゃいます。

 しかし、新型コロナウイルス感染防止のための外出自粛で、元気の源である様々な活動も休止となり、親御さんも自宅に籠るようになりました。これにより運動量が減少し、筋力が落ち、コミュニケーション不足による脳への刺激も減り、微妙に保ってきた心身のバランスが崩れてきている方も出てきています。私自身、日常生活習慣としていたジム通いができなくなり、元々ない筋肉がさらに衰えたと実感しています。

 総じて、親世代のコロナショックによる心身への影響は、若い人たち以上に大きいといえるでしょう。

 介護が必要になった原因の第1位は「認知症」

 2019年国民生活基礎調査によると、介護が必要になった原因の第1位は「認知症」で17.6%です。認知症の約6割を占めるアルツハイマー型認知症では、認識力、記憶力、判断力など脳の機能が徐々に低下するため、気づきにくいといえます。第2位は「脳血管疾患」(16.1%)で、直ちに治療が行われますが、高齢期に発症した場合、後遺症が残り、介護が必要になるケースが多くなっています。これら2つは脳が原因で、介護が必要になります。

 第3位から第5位は「高齢による衰弱」「骨折・転倒」「関節疾患」です。なお、病気やケガで長期間病院に入院していた場合、筋力が衰え「退院は介護の始まり」となるケースもありますので、注意して様子を見ていきましょう。

 介護が必要になったら、地域包括支援センターに相談

 親御さんに介護が必要となってきたら、親御さんの居住地の「地域包括支援センター」はどこかを調べ、相談するのが一番です。

 介護を社会全体で支えることを目的に創設されたのが「介護保険制度」ですが、全国一律ではなく、地域により使える制度が異なります。地域包括支援センターは役所の出先機関という位置づけで、社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーが常駐し、地域の高齢者の介護、福祉、健康、医療など広範囲に及ぶ相談に対応してもらえます。

 要介護認定と要介護度を知る

 介護保険制度を利用するには、親御さんの日常生活能力がどの程度低下しているかを調査してもらう必要があるため、親本人の居住地の役所に、「要介護認定」の申請を行います。認定調査員が自宅に来て74の質問をしますので、必要な場合は立ち会います。その後かかりつけ医の診察を受けると、約30日で「要介護度」の判定結果が郵送されてきます。

 要介護度は「要支援1」から「要介護5」の【7段階】で判定され、「今回は介護保険利用には該当しない」という場合は【非該当(自立)】と明記されます。

【介護の必要度合いにより判定される7段階】

  • 要支援1
  • 要支援2
  • ---
  • 要介護1
  • 要介護2
  • 要介護3
  • 要介護4
  • 要介護5

要支援2段階・要介護5段階の計7段階に分けられる。上から下に向かって、介護が必要な度合いが重くなる。

 それぞれの要介護度に応じた限度額の枠内で、所得に応じた1割・2割・3割の自己負担分で介護保険サービスを利用できます。まずはケアマネジャー(介護支援専門員)を決め、親御さんが自宅での生活を持続できるようなケアプラン(介護サービス計画表)を作成してもらいます。その時、自分は親の介護にどの位の時間を当てられるか、どのような介護保険サービスを使いたいか、1カ月どのくらいの金額になるかを、ケアマネジャーとスムーズに話ができるくらいの予備知識を習得しておきましょう。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus