ヘルスケア

「留学生ともに学べる」 全世界入国検討で歓迎、水際対策・検疫強化も重要

 新型コロナウイルスの感染拡大で制限されている全世界からの入国について、政府が来月以降に再開する方向で調整に入った。海外で足止めされて来日できなかった留学生のいる大学からは歓迎の声が上がる。ただ、観光客が除外され、1日あたり千人とする入国枠も設けられる見込みとはいえ、入国者が増えることへの懸念はある。水際対策を担う部署は受け入れ準備に余念がなく、専門家も「検疫強化が必要」と求めている。

 大学

 「秋学期も一部対面授業が再開しており、留学生らと一緒に学べるようになればうれしい」。制限緩和で留学生の受け入れ全面再開が検討されている動きについて、同志社大の担当者は歓迎する。同大では在籍する留学生の約3割が来日できず、母国などでオンライン授業を受けて春学期を過ごしたという。

 世界約70カ国・地域から2500人近い外国人留学生が学ぶ立命館大も、約500人が日本やそれぞれの国の出入国制限により来日できなかった。学生らは同じくオンラインで授業に参加し、時差などの理由でリアルタイムで受講できない場合は、録画映像を見たり、課題を提出したりして授業を補完したという。

 立命館大では来日できなかった留学生について随時、留学の意思の有無を確認していたといい、担当者は「来日希望の留学生がいれば受け入れる環境を整えたい」としている。

 空港

 入国者が増えることに対しては水際対策が重要だ。

 関西の空の玄関口である関西国際空港(大阪府)。「どれだけ入国者が増えるかまだ想像がつかない。とにかく現場で対応できるよう、準備を進めるだけ」。政府の方針が明らかになったことを受け、厚生労働省関西空港検疫所の担当者はこう話す。

 関空では新型コロナの世界的な拡大を受け、2月7日からPCR検査を行う態勢を整備。8月からはPCR検査より判定が速く、約2時間で感染の有無がわかる唾液による抗原検査を始めた。

 さらに23日には、関空第1ターミナルビル内に新たな検査室を開設。委託先の民間業者が機器4台を使い、現状、1日あたり約500人分の抗原検査ができるという。

 関空では今後の入国者数増加を見越し、1日あたり1800人分の抗原検査ができる態勢に増強する方針もある。ただ、関空検疫所の職員は約100人と限られており、担当者は「民間業者への委託などの応援態勢を整える」としている。

 専門家

 今回の入国制限緩和の動きについて、関西大の高鳥毛(たかとりげ)敏雄教授(公衆衛生学)は人数制限が緩和された国内のプロスポーツを引き合いに、「感染リスクこそ高まるとみられるが、ウィズコロナの段階でゼロリスクに拘泥しては、社会が前に進んでいかない」と理解を示す。

 その上で、「空港での検疫強化はもちろん、入国後、一定期間の待機も検討されるべきだ」と提言。大阪府内の保健所で課長を務めた経験などから、「受け入れる側としては、検疫業務にあたる人員の確保とともに、検疫所と保健所の連携がいま以上に求められる」と指摘した。

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