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妊娠・出産・育児でもらえるお金《前編》 失業手当は産後でも受け取れる (1/3ページ)

畠中雅子
畠中雅子

 コロナ禍での妊娠・出産は、肉体的な大変さに加え、病院に行くことに不安を感じるなどの精神的な大変さもあるでしょう。現在妊娠されている方は、さまざまな負担が大きい時期ではありますが、無事に出産を終えられることを願っています。

 さて、本連載の今回と次回は、「妊娠・出産・育児でもらえるお金」についてご紹介したいと思います。まずは妊婦健診費の助成からご紹介していきます。

妊婦健診費は最低でも14回の助成がある

 妊娠が判明すると、保健福祉センターや保健所、役所などで「妊産婦健康診査受診票」(以下、妊婦健診受診票)が受け取れます。妊娠が確定しないと申請できないので、初回の健診にかかる費用は自費になります。妊娠検査キットなどを使って「妊娠を確認しました」と申請する人がいますが、妊娠確定には病院での検査が必要です。

 受診票は母子手帳などと一緒にもらえる袋に入っているのが一般的です。ちなみに、妊婦健診は「病気の治療ではない」ため、健康保険が効かず、自由診療になります。自由診療ですので、病院によって金額は異なり、中には100万円を超えるような高額な病院が出てくるわけです。

 自由診療になる妊婦健診費の負担を軽減する措置として、妊婦健診受診票を使った助成がおこなわれています。妊婦健診受診票は、14枚(回分)配布している自治体が一番多くなっています。この受診票で無料になるのは、基本項目の検査。そのため妊婦健診を常に無料で受けられるわけではなく、2000円から5000円くらいを支払うことも少なくありません。基本項目以外の検査は、有料になるのが原則だからです。また検査ではなく、「治療」が生じた場合も有料になりますが、治療は健康保険の適用になりますので、3割負担になります。

 基本項目が無料になるのは、各自治体で共通する助成内容ですが、超音波検査や血液検査などの助成回数は、自治体ごとに異なります。受診時期についても、受診票に超音波検査や血液検査などが受けられる時期(20週目から23週目など)が記載されているのが一般的です。

 先に妊婦健診受診票は14枚もらえる自治体が多いと書きましたが、最近では「無制限」で助成してくれる自治体も増えています。双子など多胎の場合は、5回程度、受診票が上乗せされているのが一般的です。

里帰り出産をした場合も、使わなかった受診票を捨てないで

 妊婦健診受診票の注意点は、里帰りで出産する場合。里帰り出産で、居住地ではない自治体の病院に転院すると、妊婦健診受診票は使えなくなります(隣接している市町村の病院の場合は使えるケースもあります)。妊婦健診受診票は使えなくなると、里帰り先の病院では現金で健診費用を支払う必要があります。

 里帰り先の病院で「この受診票は使えません」と言われると、居住地で受け取った受診票を捨ててしまう妊婦さんがいますが、絶対に捨てないでください。出産を終えて、居住地に戻ったあとに役所に持参すると、現金で支払った回数分を、居住地の助成額に計算し直して、払い戻してくれるからです。

 たとえば14回の健診のうち、5回の健診費用を現金で支払い、居住地の助成額が1回5350円だとすると、2万6750円が払い戻されます。超音波検査などの費用もかかり、受診票が手元に残った場合も同様です。ただし予定よりも早く生まれて、受診票が手元に何枚か残ったとしても、実際に健診費用を支払っていなければ、払い戻しの対象にはなりません。

 実際には、申請が認められたのち、口座振込で払い戻されます。この払い戻しができる期限は、1年としている自治体が多いですが、中には6カ月を期限とする自治体もあります。期限を過ぎると、受診票はただの紙になってしまいますので、里帰り出産を考えている方は期限内に申請をしてください。

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