新時代のマネー戦略

持株会で「会社と心中」の誤解 “地味”な福利厚生が資産形成を加速させる (1/3ページ)

鈴木暁子
鈴木暁子

 企業には、従業員の労働力の確保や定着、労働意欲の向上などのため、賃金とは別にさまざまなサービスなどを提供する「福利厚生」という制度があります。ところが、せっかくの福利厚生を利用していない人も意外と多いようです。家計改善のための節約や資産形成の一助にもなる福利厚生制度にもう少し目を向けても良いのでは…?

資産形成に福利厚生制度を使わないなんてモッタイナイ

 福利厚生は大きな分類として2種類あります。

 ひとつは法律で定められている「法定福利」。厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料については保険料の2分の1、雇用保険については3分の2、労災保険、子ども・子育て拠出金については全額を、勤務先が負担してくれています。従業員の意思にかかわりませんし、従業員負担分は給与天引きされているので福利厚生と知らない人も多いですが、保険料負担が半額以下で済んでいるのは、実は福利厚生だからです。

 もうひとつが「法定外福利」。企業独自で設定しているので都の範囲は多種多様です。

 その中で、特に資産形成の一助となるのが「持株会」や「選択制DC(確定拠出年金)」ではないでしょうか。資産形成の相談の時には持株会や選択制DCはどれくらい拠出しているかを伺うようにしていますが、持株会の人気は二極化していると感じます。

▼持株会の株を売却して子どもの教育費に

 持株会は、すでにやっている人は積極的にやっていますが、そうでない人が口を揃えたように言うのが「給与も会社、株も会社、会社と心中したくはない」。確かにそれも一理あります。ただ、このように考えている人たちの大半は、無意識のうちに、株を「売却する」というイメージが抜け落ちています。持株会というと毎月定期購入してはいますが、売却してはいけない、売却できないというものではありません。そこで筆者は、ある程度資産として占める割合が大きくなってきたら売却することも視野に入れれば良いのではと伝えています。

 たとえば教育資金としての活用です。学資保険、子ども保険などの加入もありますがお子さんが生まれてすぐに加入せず出遅れてしまった場合でも、10年くらい持株会で毎月3万円程度購入すると、投資元本で約360万円。また奨励金を出している企業も多く、中には社員拠出額の10%近い奨励金を出すところもあります。児童手当と合わせれば中学卒業までに500万円以上を準備することも夢ではありません。

 もちろん株ですので評価額は上下しますが、そもそも持株会の購入はドルコスト平均法(定期定額購入)ですから、それ自体、長期的な運用を目指す人にとっては王道の買い方といえます。また奨励金は、言い換えれば、約束された利益としてリスクヘッジの役割も果たします。

 子どもの教育費がかかる頃に一部売却・換金して充てれば、預貯金を払い出さなくても済みますし、世帯の資産のうち持株会比率を下げることもできます。買いながら売却して使うこともアドバイスすると、言われてみればそうだと納得する人も多いのです。

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