お金で損する人・得する人

会社員に残された最後の節税 「特定支出控除」を使い倒す (2/3ページ)

高橋成壽
高橋成壽

■新幹線代を経費にできる! 移住者に朗報の通勤費

 移住者や二拠点生活者に朗報なのが、通勤費の特定支出控除化です。多くの会社では、新幹線代全額と新幹線利用に伴う交通費の一部は自己負担になっているでしょう。特定支出控除は、グリーン車の利用料は対象外ですが、新幹線代、電車運賃が対象となります。毎月5万円、10万円と新幹線代の負担を重く感じている人は、絶対に確定申告を忘れないようにしてください。

■セカンドキャリアと副業のための研修費・資格取得費

 特定支出控除は業務関係の研修と資格取得と資金使途が限定されています。したがって、定年後や副業のための支出は対象外です。しかし、それは誰が決めるのでしょうか。しっかりと勤務先と話し合って、今後の業務に必要な研修であり、必要な資格であると合意を得られれば、後ほど説明する会社の承認を得やすくなるのではないでしょうか。

 勤務先にとっては、スキルの低い社員にいつまでたってもぶら下がられても困りますから、社員が積極的に外部でも稼げる人材に変化していくことは大歓迎ではないでしょうか。そもそも、会社は承認しないことのリスクはありませんから、社員が前向きな姿勢をとっていることをサポートする必要がありそうです。

■新聞と勉強のための図書費

 ウェブサイトで無料でニュースが読める時代に合って、何のために新聞を購読するのでしょうか。あるいは書籍の購読は何のために行うのでしょうか。本を読むこと自体が大好きな人以外は、新聞や本を買ったり読んだりする目的は仕事で必要だからではないでしょうか。

 そう考えると、利用をやめようか検討していた新聞図書関係の支出は、経費になりえます。毎月5千円で年間で6万円にしかならなくとも、他の支出と合計すれば特定支出控除枠に到達する可能性があります。本好きな方には朗報ですが、業務と関係ない書籍はもちろん対象外です。

■自腹を経費にできる交際費等

 自腹の交際費。ファイナンシャルプランナーとして相談をうけていて何度となく聞いてきた不可解な支出です。取引先との宴席が自腹、取引先とのゴルフ接待が自腹、企業の経費に対する概念が厳しくなり、経費計上ができなくなったという事情もあるでしょう。

 会社で経費化できなければ、個人で経費化してしまいましょう。会社の承認が必要ですから、しっかりとメモと領収証を残しておいてください。時間外労働とまでは行かないかもしれませんが、取引先が来ているのであれば業務と主張して差し支えないでしょう。

 今まで涙を飲んでいた自腹の交際費を経費にして税金負担を減らしましょう。

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