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非常食には“ポテトチップス” 東京・板橋区と湖池屋がポテチ備蓄を促したワケ (3/3ページ)

SankeiBiz編集部
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 賞味期限5年超のミネラルウォーター

 これまでは人命救助のリミットとされる「3日間」を最低限の目安とした備えが必要とされてきたが、南海トラフの巨大地震対策の最終報告書で国の中央防災会議は「家庭で1週間分以上の備蓄」を求めた。気になるのは飲料水の備蓄。サントリー食品インターナショナルによると、ミネラルウォーターの「サントリー天然水」(2リットル)の賞味期限は24カ月だ。

 賞味期限はおいしさの目安であり、ペットボトルが直射日光などにさらされていない限りは、賞味期限を1日過ぎたら品質に大きな影響が出るというものでもないだろうが、備蓄用のミネラルウォーターも販売されている。「サントリー天然水 2Lペット備蓄用」(税抜き250円)の賞味期限は5年3カ月だ。

 通常のミネラルウォーターと何が違うのか。同社の担当者は「賞味期限の差は、ペットボトル容器の肉厚さに関係しています。厚肉により蒸散・容器の変形を軽減する設計であり、中味が異なるわけではありません」と明かす。備蓄用の「サントリー天然水」は、従来品とは異なる容器を使用し、長期保存に耐えられる設計にしているのだという。

 間もなく東日本大震災から10年。3月11日は日頃の備えの大切さを改めて再認識する日でもある。板橋区や湖池屋、東京家政大学の取り組みは、日常の暮らしの中で消費し、使った分を購入することで常に新しいものを蓄える「ローリングストック」という新たな備蓄を考える契機となりそうだ。

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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