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1人乗りロボ、電動車いす…街や空港に広まる「自律走行」 子供にも人気

 高齢者らの短距離の移動を手助けする自律走行型の「1人乗りロボ」や「電動車いす」を活用する試みに注目が集まっている。タッチパネルに目的地を入力すると自動で連れて行ってくれる。付き添いなど家族らの負担が軽減できると好評だ。若い人も気軽に利用しており、活躍の場が広がっている。

 「ロボットが走行しています」「赤信号なので待ってます」。東京都中央区の住宅街を自動運転ロボ「ラクロ」が周囲に注意喚起の音声を流しながらゆっくりと進む。1人乗りの座席に乗せているのは高齢者ら地域の住民。利用者の一人、仲台和子さん(78)は「人が歩くのと同じ速さなので季節の変化が分かり、移動そのものが大変楽しい」と満足げだ。

 このサービスはロボット開発ベンチャー「ZMP」(東京)が東京都中央区の月島駅周辺で昨年10月に始めた。会員登録をした上でスマートフォンのアプリで搭乗日時と目的地を事前入力する必要がある。料金は乗り放題の定額プランで月1万円。搭乗時にはラクロに備え付けのタブレットに予約番号を入れて出発ボタンを押すだけで移動が始まる。

 指定の乗り場から病院やスーパーまでといった事前に設定したルートで移動可能。ラクロの正面には発光ダイオード(LED)画面の“目”があり、笑顔や泣き顔などの表情で通行人に運行状況を伝える。ZMPの谷口恒社長は「地域に溶け込むために愛らしい雰囲気を目指した。子供たちにも大人気だ」と手応えを感じている。

 首都圏の空の玄関口となる羽田空港の国内線第1ターミナルでは日本航空が昨年7月から自律走行型の「電動車いす」の無料提供サービスを始めた。搭乗口まで数百メートルある空港内の移動を手助けする。

 電動車いすは車体前方のセンサーが、障害物を検知し、ほかの旅行者との衝突を避ける機能がある。時速は約3キロ。目的地に着くと、無人で元の場所まで戻っていく。利用者は乗り捨てして飛行機に搭乗できる。

 日航の担当者は「物珍しさから『少し疲れた』という程度の若い人の利用も多い」と語る。空港係員が後ろから押してサポートしていた従来型の車いすと違い、新型コロナウイルスの感染リスクも減る。

 電動車いすはベンチャー企業の「WHILL」(東京)が製造。同社の辻阪小百合さんは「安心して乗れるように設計した。電動で音も静かなので美術館や病院でも導入に向けた検討が進んでいる」と話した。

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