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大迫力、アジアゾウの骨格標本が登場 大阪・天王寺動物園 

 大阪市天王寺動物園で人気を集めたアジアゾウ、ユリ子の骨格標本が3月9日、新施設の学習棟「TENNOJI ZOO MUSEUM(てんのうじズーミュージアム)」に登場する。現在、希少動物保護を目的とするワシントン条約により同園のゾウの不在は続いているが、骨格標本からは最大の陸上動物の迫力を体感できる。ユリ子が永眠してから21年。すっくと立った彼女とまた会える。(上岡由美)

 園のほぼ中央に建設された新施設に、分解されたユリ子の骨格標本が倉庫から運び込まれたのは昨年12月。骨はかなり重く、スタッフら12、13人がチェーンなどを使って胴体部分をつり上げた。各パーツを慎重に組み上げ、高さ約3メートルのユリ子の骨格標本が完成した。

 昭和25年6月にタイから来園したユリ子は、戦後復興の象徴として、平成12年5月に推定52歳で死ぬまで多くの市民に愛された。園は一時、春子、ラニー博子と合わせてゾウ3頭を飼育していたが、30年1月に博子が死んで以降、ゾウの不在が続いている。

 3頭の中で骨格標本が園内に残っているのはユリ子だけ。貴重な資料だったが、これまでは園内に展示するスペースがなく、倉庫内で保管されてきた。組み立てられたのは、30年に園内で行われた夜間のイベント「夏のナイトZOO」などの2回だけ。いずれも期間限定で、終了後、再び倉庫に戻されてきた。

 春からは新施設の常設展示の目玉として公開される。標本の半身は繊維強化プラスチックを使って、姿容を再現した。来園当時の様子などを紹介するパネルも展示されるという。

 ゾウは長く園のシンボルだったが、現在はワシントン条約の規制で商取引として希少動物を入手することがほとんど不可能になっている。このため、ゾウ不在の園内でもゾウを改めて身近に感じる機会になる。

 同園の牧慎一郎園長は「まず大きさを体感してもらいたい。ゾウの全身骨格は近くで見ると本当に迫力がある。当園で50年間活躍したゾウですから、しっかりその姿をごらんいただきたい」と話している。

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