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京都観光ジレンマ キャンペーン開始も、市長「2週間遠慮して」

 緊急事態宣言の解除を受けて始まった古都・京都の観光キャンペーンをめぐり、主催する京都市と市観光協会などがジレンマを抱えている。解除後も段階的な緩和措置が取られており、門川大作市長も「感染収束のため京都観光は2週間は遠慮してほしい」と発言。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた観光地にとって、待望の観光シーズンを迎えるが、関係者らは観光と自粛のはざまで揺れている。(田中幸美)

 キャンペーンは「京の冬の旅」と銘打ち、観光客が減少する冬季の集客策として今年55回目。1月9日~3月18日の日程で、仁和寺や龍安寺など9寺12カ所の非公開文化財の特別公開や観光バスの特別コース設置などを企画していたが、宣言再発令で延期になっていた。

 2月に入り、全国から開催時期の問い合わせがあったことなどから、開始を前提に準備が進められ、政府が宣言解除を決定した26日に3月1日~4月11日まで行うことが決まった。

 ところが、「困惑した」とこぼすのは、キャンペーン対象のある寺院の担当者だ。この寺院には26日午後、拝観開始の準備をするよう同協会から連絡があった。

 ただ、京都市では外出自粛要請などの措置は3月14日まで維持されることとなり、この寺院では用意した拝観の案内板などを一時撤去したという。

 京都観光総合調査によると、令和元年に京都市を訪れた観光客数は5352万人にのぼり、観光消費額は1兆2367億円と、市民の年間消費支出の約55%に相当。だが、昨年来のコロナ禍で観光産業は打撃を受けており、大きく依存してきた市にとっても観光再開は待ち望んだ好機だ。

 一方で、段階的緩和措置が取られており、主催する市や観光協会はキャンペーン開始も大々的な告知はせず、ホームページで知らせるにとどまった。市の担当者は「予約を開始しても、即日入京したり宿泊したりすることは難しいと思うので、2週間後を見据えて緩やかに開始した」と説明している。

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