クルマ三昧

障害者と健常者が運転を譲り合える…画期的なクルマに見るマツダの意気込み (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 誰もが気軽にドライブできる

 マツダがMX-30にかける意気込みは素晴らしい。フリースタイルドア、つまり観音開きという個性的なスタイルがベースにあり、都会型スタイリッシュSUVを形成している。

 それでいて、さまざまなパワーユニットを許容する。直列4気筒+モーターのハイブリッドを搭載してデビューしたのも束の間、EVモデルもリリースしたばかり。近い将来には、ロータリーエンジンを発電機として利用したレンジエクステンダーも加わると噂されている。MX-30は八面六臂の活躍を演じているのだ。

 しかもさらに、今回「セルフ・エンパワーメント・ドライビング・ビークル」が加わった。ベースは発売されたばかりのMX-30EVモデル。旧態依然とした言い方をするならば「福祉車両」である。自らの能力を増幅させるというスマートな言葉に置き換えられている。今回は特に、下肢に障害を持つドライバーにとって朗報となる。

 特徴の一つは、加減速の操作系が改められたことだ。加速のためのアクセルレバーはステアリングの内側に沿うようなリングに改められた。これまでのような、コブのような突起を握るタイプではない。

 減速操作は、手動ブレーキシステムとなる。左手の、本来のシフトレバーの内側のレバーがそれで、手のひらで押せば制動する。今回はEVとの協調だから、回生ブレーキ力を高める調整スイッチも指先に馴染む位置に取り付けられている。ハザードスイッチもそこにあり、緊急時の対応も素早くこなせる。

 MX-30セルフ・エンパワーメント・ドライビング・ビークルが優れている点は、健常者がドライブすることが可能なことだ。障害者と健常者が気軽にステアリングを譲り合うことができる点が画期的なのだ。

 これまでの福祉車両は特殊なスイッチやレバーで改造されており、健常者がステアリングを変わることが困難だった。だがこのMX-30は、誰もが気軽にドライブできる。

 健常者がドライブする場合は、フットブレーキペダルでスタートさせれば、クルマが自動で通常の操作方法にアジャストされる。ハンドブレーキを押し込んでスイッチオンすれば特殊装置が機能する。

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