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「月15万ちょいで6000万の家が買える」 そんなセールストークを信じた夫婦の末路 (1/3ページ)

 「家賃を払うのがもったいないから、家を買ったほうがいい」という人がいる。それは本当なのか。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんは「今の家賃=ローン金額とは限らない。住宅購入では5つの落とし穴に注意してほしい」という――。

 ■首都圏の新築マンション平均価格は6000万円

 新築、中古を問わず、首都圏の住宅価格が高い。高すぎる。

 筆者はファイナンシャルプランナー(FP)として、20年以上マネー相談を受けており、中でも30代のマイホーム購入相談の機会は多い。5~6年前くらいから首都圏の住宅価格が高騰し、共働きであったとしても、高収入カップルでない限り、新築物件には手が出ない状況となっている。

 図表1は、「首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンションの平均価格推移」である。2000年代前半は、4000万円くらいだったのが、その後、4000万円台後半、5000万円台、昨年はついに6000万円にまで高騰している。

 5000万~6000万円の新築物件は手が出ないと、中古物件を探し始めるカップルは少なくないが、ここまで新築の価格が高騰すると、中古も引きずられて上昇している。仮に同じエリアで1000万円程度安い物件が見つかったとしても、中古物件なら発生する仲介手数料やリフォーム費用などを考慮すると、総額予算は1000万円も下がらず、割安感はない。

 ■住宅購入のリスク度は「ローンの金額」で決まる

 「東京オリンピックの後には、住宅価格は下がる」という意見もあるが、それはその時になってみないとわからないこと。下がったとしても、2000年代前半の頃のように「4000万円で買える」ほどは下がらないだろう。

 では、これからマイホーム購入を考えている30代は、買い急いだほうがいいのか。答えはNO。マイホームの買い時は、物件価格や金利水準など「外的要因」を考慮するのも重要だが、それ以上に自己資金の額や家族構成など「内的要因」が整っているかがもっと大切と言える。

 実は住宅購入のリスク度は、物件価格の高さではなく、住宅ローンの金額が身の丈に合っているかどうかで決まる。6000万円の物件でも、ローンが2000万~3000万円であれば、共働きならばなんとか返していけるだろう。

 しかし、若い世代は多額の自己資金を用意できる人は少なく、住宅ローンに頼る金額が多い。借入額が増えるほど、購入リスクが高くなるのだ。

 ■30代共働き夫婦の「マイホーム購入あるある」

 30代共働き夫婦の「マイホーム購入あるある」を考えてみた。みなさんは、いくつ当てはまるだろうか。

 (1)家賃を払うのはもったいないから、早く購入するのがおトク

 (2)頭金がなくても全額住宅ローンを組めばいい

 (3)家賃並みのローン返済額で買えるなら、買ったほうがおトク

 (4)マイナス金利の今は絶好の買い時!

 (5)転勤になったら、賃貸に出せばいい

 実は、上記5つは「ダメダメ」要素。すべてに当てはまる人は、ハイリスクな住宅ローンを組む可能性が大きい。

 家賃を支払うのはもったいないという気持ちはわからないでもない。しかし、失業や収入減など不測の事態が発生したとき、賃貸であれば、家賃の安いところへ引っ越しをしたり、一時的に実家に住まわせてもらうなどして、支出を減らして乗り切ることも可能だが、住宅ローン返済は待ってくれない。

 昨年のコロナ禍で収入が大幅減少し、ローン返済が困難になる人が続出している。収入減で家計の収支が悪化した時に頼りすべきは「イザという時の貯蓄」だ。頭金の用意ができずに全額住宅ローンを組むと、ローン返済開始後も貯蓄ができていないケースが多い。困った時に使う「イザという時の貯蓄」がないと、早い段階でローン返済が困難になってしまう。

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