新時代のマネー戦略

「老後資金を貯めるなんてムリ!」と諦めるのは早い 起死回生の裏ワザがあった (2/2ページ)

長尾義弘
長尾義弘

8.5%の人は、100万円未満の貯蓄しかない!

 この三大支出によって「三重苦」の状態に陥ってしまい、どう頑張っても、老後資金は貯めることができないという人が多くなっているのです。60歳の定年を迎えるのに、貯蓄はほとんどゼロに近い状態という人もいるのではありませんか。

 たとえ退職金があったとしても、住宅ローンがかなり残っているので、退職金をローンの完済に使ってしまい、貯えはゼロという人も、決して珍しいことではありません。

 PGA生命の「2020年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」によると、1960年生まれの人の貯蓄額の平均は約3000万円です。しかしその内訳を見ると、65%の人が2000万円未満で、100万円未満という人が約20%でした。

 貯蓄が少ない人は、いったいどうすればいいのでしょうか。

「三大支出」を平均化する方法とは

 晩婚化による晩産化が進むことによって定年までの期間が短くなり、三大支出が折り重なってくると説明しました。しかし、晩婚化が進むと同時に、人の平均寿命は延びています。健康でいられる時期も長くなっているのです。そこで、これを利用して三大支出を平均化する方法を私は考えてみました。

 つまり、老後資金は定年後に貯めるということです。

 もちろん、現役時代に老後資金を貯めるのがベストではありますが、どうしてもムリな場合には、定年後に長く働いて老後資金を貯めるという方法があるのです。

定年後に老後資金を増やす方法がある

 60歳定年から65歳までは再雇用で働けますし、さらに2021年4月から施行された高齢者雇用安定法によって70歳までも雇用が努力義務化になっています。つまり70歳までは働ける土壌ができつつあります。

 60歳からスタートしても70歳までは、10年間あります。この期間を、老後資金を貯める時期として使うのです。

会社員として働くと70歳までは厚生年金に加入できます。その分、老齢厚生年金が増えます。働いていると給与がありますので、それが生活資金になります。生活資金を給与でまかなえば年金の繰下げ受給が可能になりますので、請求の時期を70歳まで遅らせることで年金額を増やすことができます。

 この「70歳まで働く」プランよって、70歳以降は増額された年金で豊かに生活することができます。また、夫婦共働きの場合には、ダブルで年金が受け取れるので、より余裕のある年金暮らしに近づけけることができます。

キャリア磨きは不可欠

 あきらめないで長く働くことです。それにより愉しい老後ライフを実現することが可能になります。ただし、「老後資金は60歳から準備すればいい」などと漫然と構えていればいいのではありません。長く働けることができるように、キャリアアップやセカンドキャリアを身につけることがとても重要になってくるのです。何事も準備と心構えは必要です。チャレンジしてください。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
長尾義弘(ながお・よしひろ) ファイナンシャルプランナー AFP認定者
日本年金学会会員
徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

【新時代のマネー戦略】は、FPなどのお金プロが、変化の激しい時代の家計防衛術や資産形成を提案する連載コラムです。毎月第2・第4金曜日に掲載します。アーカイブはこちら

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