クルマ三昧

新型「メルセデス・マイバッハSクラス」発表 孤高の世界から舞い降りた高級車 (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 「メルセデス・マイバッハSクラス」が発表された。その堂々たる体躯は、すでに発表されている新型メルセデスSクラスのホイールベースを180ミリ延長した。マイバッハの特等席であるリアシートの居住性を高めるためであることに疑いはない。リアのドアは電動で開閉する。ホイールベースの延長はボディ全長の延長でもあり、それがそのままリアドアの長さでもある。そのため乗り降りはしやすいが、ドアの開閉はしづらい。その点を解消するための細工なのである。タクシーですら自動開閉するものの、それと同質ではもちろんない。優雅に開き、しっとりと閉じる。

 メルセデスSクラスとの格の違い

 ホテルオークラ東京で開催された発表会の席で、ステージでスポットライトを浴びる現車に触れ、座ってみただけだが、メルセデスSよりも格段に豪華なのは想像の通りだ。

 リアシートは、エアラインのビジネスシート並みの空間が確保されている。前席を前にスライドさせれば、十分に足を伸ばしてくつろげるほどの空間が広がる。そもそも助手席に乗員が座っていないことを確認すると、シートは自動で前端までスライドするという念の入れようだ。後席で寛ぐ御仁のためのクルマであることはその点からも理解できる。

 用意されているエンジンは2タイプ。V型8気筒4リッターツインターボに加え、V型12気筒6リッターツインターボがラインナップ。エンジン排気量を下げるというダウンサイジングの風潮は高級車にも訪れているのだが、マイバッハSは内燃機関の頂点であるV型12気筒が用意されている。そのあたりにメルセデスSクラスとの格の違いを見せつけているかのようだ。

 価格は3200万円以上。数々の豪華オプションを加えれば3500万円は超えるに違いない。もっともマイバッハSは、孤高の存在からやや庶民的な世界に舞い降りてきた感があるのも事実だ。歴史的に見れば、マイバッハはごく一部の欧州貴族のための高級セダンという位置付けであり、自らステアリングを握るクルマというより、後席で移動するというショーファードリブン(専門のドライバーが運転する)的な性格が強い。

 1966年にはダイムラーベンツの傘下となり多くのパーツを共有することになったものの、ボディや内装はまったくの別物として開発され、孤高の存在として威光を放っていた。先代の価格は6000万円オーバーである。

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