株・投資

バフェットが妻に遺言した投資法とは 筆者が500万円の利益を得た投資信託 (2/2ページ)

「パッシブ運用」の方が得

 さらに、多くの研究結果が、「アクティブ運用」の高い運用手数料を勘案すれば、「アクティブ運用」により得られる超過収益率(市場平均を上回る収益)が限定的であることから、「パッシブ運用」の方が得だ、ということを示唆しています。

 よく考えてみれば、次のような自明の理に気づきます。

 「市場には多くの参加者がおり、それぞれが独自の運用スタイルで売買している。

 アクティブ運用者には、儲けることのできた勝者もいれば、損をした敗者も常に存在する。

 それらのすべての投資家の売買を合計したものが、市場平均(インデックス)である。

 アクティブ投資家が行う売買には、銘柄の調査・分析などのコストがかかる。

 従って、アクティブ投資が市場平均に追随するインデックス投資に勝つことは容易ではない」

バークシャー・ハサウェイは市場の2倍近いリターンを50年間出し続けた

 もちろん、比較的長期にわたってインデックスを上回る実績を持つアクティブ投信も一定程度存在しますし、すべてのアクティブ運用に意味がない、ということではありません。

 例えば、“投資の神様”ウォーレン・バフェット氏が運営する投資会社バークシャー・ハサウェイの運用成績を見てみましょう。

 1965年からの50年間、米国を代表する株価指数であるS&P500の年間平均利回りは9.9%でした。アメリカ経済は、不況やベトナム戦争、テロとの戦いなどを経ながらも、成長を続け、株価も長い目で見れば年率10%近く上昇しました。

 これに対し、バフェット氏は、自分で分析して選んだ少数の銘柄に集中投資することで、これを大きく上回る成果を出しているのです。

 50年間の年間平均リターン(複利)は、驚異の19.4%。

 市場(S&P500)の2倍近いリターンを50年間という長期にわたって出し続けてきたのです。

 バークシャー・ハサウェイのこの期間の累積リターンは、75万1113%。

 50年前に10万円投資していれば、7511倍の7億5111万円になった計算です。

“投資の神様”バフェットが妻に遺言した投資法

 こうして、市場に対して勝ち続け、「賢人」と呼ばれるバフェット氏ですが、実は、普通の市民に対しては、次のようなアドバイスをしているのです。

 「ここで私が皆さんにアドバイスすることは、私が妻に宛てて残している遺言書に記したある指示と基本的に同じことです。

 資金の10%を短期国債に、90%を非常に低コストのS&P500インデックス投信に回すのです。

 この運用方針による長期的な成果は、年金基金、機関投資家、個人を問わず、高額な手数料の運用者を雇っている多くの投資家が達成するものよりも優れたものになる、と私は信じています」

 (同氏が経営するバークシャー・ハサウェイ社の過去の「株主への手紙」から筆者が要約)

 “神様”からのこのアドバイスは、多額の手数料を取るヘッジファンド(アクティブ運用の一種)に対する批判という文脈で語られていますが、バフェット氏がインデックス投信の推奨者であることは間違いありません。“投資の神様”と称されるバフェット氏は、市場平均に勝ち続けることの難しさを知っているからこそ、普通の市民にはインデックス投信を勧めているのです。(東証一部上場企業CFO 北村 慶)

 北村 慶(きたむら・けい)

 東証一部上場企業CFO

 慶應義塾大学卒業。ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートン・スクール)留学。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャル・プランナー一級技能士(国家資格)。ヨーロッパではプロジェクト・ファイナンスに、アメリカでは投資ファンドに携わる。その後、日米欧のクロスボーダーM&A業務及びコーポレート・アドバイザリー業務に従事し、大手グローバル金融機関勤務を経て現在にいたる。

(PRESIDENT Online)

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