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2億円近くをかけて建設、市街地活性化施設 ワークスペース伸び悩みが課題 

 和歌山県田辺市中心部のJR紀伊田辺駅前に市街地活性化施設「tanabe(たなべ) en(えん)+(ぷらす)」がオープンして、8月10日で1年を迎えた。民間ビルがあった駅正面に市が2億円近くをかけて建設。入館者は1日平均100人台後半~300人台で推移している。ただ、2階のワークスペースは個人・少人数の利用が1日平均2人未満で、課題も抱えている。

 延べ床面積304平方メートルの2階建てで、市が1億8350万円を投じて建設。運営は市などが出資する第三セクター「南紀みらい」が担っている。空洞化が進む中心市街地の活性化を目指している。

 1階にカフェや地域産品販売スペースがあり、2階は有料で利用してもらうワークスペースやミーティングルームを設置。ワークスペースは個人や少人数、団体がレンタルでき、個人の場合はノートパソコンなどを持って仕事をしてもらい、人と人とがつながるような空間を目指したという。

 入館者数は1カ月あたり5千人台~8千人台を記録。今年8月には過去最高の8732人に達した。1日平均で、100人台後半から300人台に上っている。

 ただ、2階のワークスペースの利用者は伸び悩んでおり、今年3月までで個人・少人数利用が1カ月あたり20~50人台。1日にすると2人未満の状態が続いていた。出張で来たビジネスマンらが来ているものの、地元の人の利用は少ないという。

 カフェも試行錯誤している。当初、公募してメニュー化したおむすびを販売していたが、ランチとしては物足りないことから外し、かき氷やクレープを取り入れてスイーツを充実させた。

 想定していなかったコロナ禍で駅前の観光客も少なくなり、苦しい状況に直面している。こうした中、ワークスペースで頻繁にセミナーを開催したり、1階では飲食や雑貨販売のイベントに取り組んだりしている。

 南紀みらいの尾崎弘和専務は「もう少し入館者を増やしたい。ワークスペースが魅力あることを知ってもらうとともに、もっといろいろな企画に取り組んでいきたい」と話している。

 「tanabe en+」の問い合わせは南紀みらい(0739・25・8230)。(張英壽)

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