クルマ三昧

室屋義秀選手とチームパートナーシップ締結 「空」に照準を定めたレクサスの狙い (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 レクサスがアジア初のレッドブルエアレース・パイロットの室屋義秀選手とチームパートナーシップを締結した。

 共通項が多い航空技術

 関係は2016年に遡る。当時レッドブルエアレース世界大会に参戦していた室屋選手は、日本人唯一のパイロット。世界転戦型であり、千葉県・浦安の海上をステージに開催された日本大会で優勝。一躍その名を世界に轟かせた。世界チャンピオンにも輝いた。

 当時、レクサスが室屋選手とパーソナル契約を結んだのは、主にプロモーション活動の一環として捉えていた。高級な世界観を好むレクサスと、セレブな雰囲気で知られるエアレースは、イメージ浸透と宣伝力に親和性があり、それを理由にレクサスと室屋選手の関係が進んだ。

 今回の契約は、パイロット個人への支援というこれまでの体制を超えて、室屋選手が率いるチームを支援するという形に進化した。レクサスは技術者をレースに送り、技術的支援を行うという。

 エアレースは「空のF1」とも喩えられている。数台が先陣争いをするF1とは異なり、1機ずつが単独でコースに挑み、そのタイムで優劣を競う。一般的にコースは海上に設営される。ポールのようなパイロンが掲げられ、定められたコースを滑空。観客はその飛行をビーチから仰ぎ見るようにして観戦するのだ。

 機体は激しく旋回する。パイロン間隔が機体の幅よりも狭い区間では、姿勢を縦にしてクリアする。上空に一気に上昇、大空の中360度旋回をし、そこから海面スレスレに急降下。機体はめまぐるしく上下左右に姿勢を変え、パイロンとの間隔わずか数メールでかすめる。

 時速300キロに達し、急旋回や急降下では最大10Gという人体にとって限界のストレスが加わる。驚くほどの動体視力、強靭な肉体、瞬間的な判断力、それでいて冷静な思考。F1パイロットと同等の能力が不可欠だ。時速300キロという速度域では空力性能が勝敗を分ける。エアレースは文字通り、空気の力を利用して旋回し、滑空し、飛翔する。

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