【風(3)超氷河期の就活】ミスマッチ?甘えるな!企業側のホンネ続々

2010.12.8 14:55

(2)1割がエントリー100社…数を競う矛盾に戻る

 「超氷河期」とはいえ、職を求める側に厳しい見方も少なくない中、《(東京)都内で建物設備の管理、改修などを行っている零細企業》を経営する40歳の男性からも、厳しいご意見をいただいた。

 男性の企業では、《一貫して経営上の問題となっているのは人手不足。職安や就職情報誌などに募集をかけていますが、ほとんど応募はありません》という。

 職安からは《「夜勤あり」「休日出勤あり」では応募は見込めませんよ》といわれ、その通り、2カ月で問い合わせはわずか2件。応募した人からも《「土日は必ず休みに…」などといわれ、電話口でお断りした》そうだ。

 この男性は《「ミスマッチ」とぼかした表現を耳にしますが、何より今、国内に不足しているのは「働かざる者、食うべからず」の基本的な意識だと思います》と辛辣(しんらつ)だ。

 リラクゼーション業界で《以前、人事担当者として面接を行っていました》という37歳の女性も、《面接者の私は、本当に採用されたい、働きたいと思っているのか?と思ったものです》と疑問を呈する。

 この方の会社も、新しい業種であり、体力がいる仕事で福利厚生も良いとはいえない状態のため、慢性的人手不足で、《アルバイト希望者はほぼ採用し、社員希望者も意欲さえあれば採用としていました》。

 しかし、《希望の職種ではないのか、自分勝手な条件や、わがままな希望を述べる方も数多くいました。本当にどこでもいいから就職したい、と思っていれば熱意だけでも伝わると思います》と嘆いている。

 今は子育て中のため働いていない、というこの方は《えり好みせず、採用してくれた会社で、役職をめざしがんばりたいと思います》と再就職に意欲を見せている。

 25歳の大学4年生の方からは、われわれ報道側に対しても《「情勢が厳しい」という論調に終始するのではなく、就活生にとって役立つ、本質を突いた論を展開していただきたい》と要望を寄せられた。“本質”を突くために、ぜひ、学生のご意見をどんどんいただきたい。(ろ)

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