【書評】『中国人の頭の中』青樹明子・著

2015.10.24 05:00

 ■大衆が思い描く日本像とは

 「中国人はいかに日本が好きか」を伝える情報を目にする機会が増えた。しかし、徹底した反日教育を受け、「抗日ドラマ」を見て暮らす普通の中国人は、日本や日本人に対して、われわれが想像する以上に悪いイメージをもっている。

 一方で、「爆買い」に代表されるように日本製品には絶大なる信頼をおき、縁あって来日すれば日本を好きになってしまう。本書の帯にある「ごめんなさい、日本が好きになりました。」のコピーは、そんな彼らの本音を代弁するものといえる。中国大衆が思い描く日本とは、具体的にどのようなものなのか。現代中国人の屈折に迫る。(756円、新潮社)

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