【書評】『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか？』中島恵・著

　■日本の課題、問題をあぶり出す

　怒濤（どとう）のごとく押し寄せる訪日中国人観光客による「爆買い」で潤う東京・銀座。日本で売られている商品は安くて高品質とのブランドイメージが定着。たとえ中国製でも日本で売られていることに価値を感じるという。

　この爆買いはいつまで続くのか。多くの日本企業にとっての関心事だが、約30年間にわたり中国を見続けた筆者は、各地に出向き、インタビューを試みながら「まだ続く」との結論を導き出した。

　その根拠となる中国人の心理、考え方、受け入れる日本人の悩みや喜びなどの悲喜こもごもを紹介。そこから日本に突きつけられている問題や課題などをあぶり出した。（1620円、プレジデント社）