ニトリやファミマ3000円台 非製造業、好業績背景にベア拡大

2016.3.17 06:25

 2016年春闘では、人手不足や堅調な業績を背景に、外食や小売りなど非製造業でベアの動きが広がっている。家具大手のニトリホールディングス(HD)は好業績を踏まえ総合職社員を対象に月額3538円のベア実施を決めた。ベア実施は13年連続。昨年ベアを見送ったコンビニエンスストア大手のファミリーマートも3000円のベアに踏み切る。

 外食では、牛丼チェーン「すき家」のゼンショーホールディングスが1500円のベアを実施するほか、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは全社員の基本給を6月から月額2182円引き上げる。

 一方、原油安に伴う燃料コスト低下や訪日外国人などの乗客増の追い風を受けた航空大手2社は、そろって2年連続でベアを実施する。ただ上げ幅は、全日本空輸が月額1500円、日本航空が1000円と、3000円で並んだ前年実績の半分以下にとどまった。全日空は一時金の年度内支給分を0.5カ月増やすなど、年収ベースで社員に報いる。

 また、業績好調な建設大手でも、今年は賃上げ姿勢に濃淡がみられる。リニア中央新幹線や東京五輪・パラリンピック関連など建設需要が高まる中、大林組は3年連続の賃上げで士気を高めようと、9200円のベアを決めた。だが、昨年まで2年連続でベアを実施した大成建設は今回は見送った。経営側には人件費高騰への懸念もあり、人手不足を背景にした賃上げは一過性に終わりかねない。賃上げを定着させるには各社が一層の業績改善に取り組む必要がある。

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