【著者は語る】花セラピスト・青山克子氏「あなたを輝かせる花セラピー」

2017.8.26 05:00

 ■ストレス社会を生き抜く支えに

 働く人のストレスチェックが義務付けされるほど心のトラブルが社会的な問題となっています。多くの病気の原因が「ストレスにある」と言われる時代に、本当に見つめるべきストレスは思いのほか心の奥深くに潜んでいる。心の不調を訴え、悩む人の多くは、自分が気づかないうちに大きなストレスをためこんでしまう場合がほとんどです。ストレスの根本とは、実は自分だけでは気がつきにくい悩みや心の疲れ、つまり「見えないストレス」にあるのです。

 この本に紹介された花の心への効果は、私個人の好みや感覚的なものではなく、全て調査結果に基づいています。現代人が花に対してどのように癒やしを感じ、それぞれの花にどれぐらい癒やしの感情を抱くのかを調査し、数値化した結果をまとめました。この調査により、人は花に「5つの感情」を抱くことが判明しました。結果を五角形のレーダーチャートとしてグラフ(花心理グラフ)にすることで、抽象的セラピーではなく新しい“花の心理学”として体系づけ、分かりやすく誰でも活用できる内容としました。

 これまでの心理カウンセラーと生け花の師範の経験から、心の問題の早期予防に花という優しいツールが有効で、現代人のメンタルヘルスに花が活用できるということに着目し、「花セラピー」という癒やしのメソッドを開発したのです。

 花セラピーとは、「自由に花に触れて心のままに花を生けて楽しもう」「花の心理効果を活用して花を飾ろう」「その人の心にぴったりあった花を贈ろう」を主なテーマとします。この本では、実践してきた内容もまとめて紹介しています。

 「花に癒やされる」、それは誰もが感じることです。「花に触れ、花を生ける」というシンプルな行為が、あなたの人生を大きく変えます。ストレス社会をパワフルに生き抜く一つの支えとして、花セラピーを多くの人に活用していただきたいと思います。(1620円、評言社)

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【プロフィル】青山克子

 あおやま・かつこ 心理カウンセラー、草月流師範(生け花)。日本カウンセラー学院卒業後、2度の渡米経験を経て、同学院講師などとして勤務。2009年青山メンタルサロンを開設。11年3月、東日本大震災前日に一般財団法人国際花と緑のセラピー協議会を設立。宮城県石巻市仮設住宅で花による心のケアを実施。全国で花セラピスト養成コースを開講している。埼玉県川口市生まれ。

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