弥生時代の竪穴建物跡、家族が増えて建て替え? 同じ住居、徐々に大きくなる形跡 京都・八幡市の美濃山遺跡

2018.1.19 11:07

 京都府八幡市の美濃山遺跡で、弥生時代後期から奈良時代までの竪穴建物や掘立柱建物の跡などが確認され、府埋蔵文化財調査研究センターが18日発表した。弥生時代の竪穴建物跡では同じ住居が徐々に大きくなる形跡も見つかり、センターは「家族が増えるにつれ、住居を建て替えたのでは」と推測している。

 新名神高速道路の整備事業に伴い、平成27~29年度の3カ年で約2万平方メートルを発掘調査した。弥生時代後期(2~3世紀)の竪穴建物10基や土坑2カ所、古墳時代(6~7世紀)の竪穴建物4基、奈良時代(8世紀)の掘立柱建物8棟の跡などが確認された。いずれも弥生時代の甕(かめ)や古墳時代の須恵器などが出土した。

 弥生時代の竪穴建物跡からは、柱穴や住居の壁を作る際に掘る周壁溝を確認。一部は周壁溝が外側に広がり、同じ建物の直径が6メートルから9メートル、11メートルと2度も建て替えられたとみられる跡があった。さらに雨水を排出する溝も見つかった。

 同遺跡に隣接し、低地にあたる遺跡でも同時代の竪穴建物跡が33基確認されており、同センターは「低地から丘陵地までにかけて大規模な集落があり、長い期間にわたり人が住んでいたのでは」としている。

 また古墳時代の建物跡からは、土を焼いて作ったとみられるかまど跡が出土したほか、奈良時代の集落跡が確認された。

 現地説明会は21日午前11時から。問い合わせは現地事務所((電)080・5321・8666)。

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