【5時から作家塾】5G、複数カメラ、ノッチ消失そして折りたたみ…2020年のスマホどうなる?

2020.1.24 07:00

 ここ最近発売されたスマートフォンを見ても、何がどのように新しくなっているのか分からない消費者も多いのではないだろうか。たとえば、昨年9月に発売されたアップルのiPhone 11シリーズにしても、前年モデルと並べた時、すぐに分かるのはカメラの数が増えたことくらいだ(iPhone 11は背面カメラを2個、iPhone11 Pro/Pro Maxはそれぞれ3個を搭載)。

 では2020年、スマートフォンはどのように進化するのだろうか。

 その最大のポイントが、次世代モバイル通信規格5Gであることは間違いない。今年は日本を含む世界各地で、5Gの導入が本格化すると見られている。無線ネットワークが5Gに進化することによるメリットは多々あるが、たとえばスマホにおいては、長時間の動画を数秒でダウンロードする、高画質な映像を場所や時間を問わずスムーズに視聴する、人が密集する場所でも遅延なく通信する、といったことが可能になる。そして、こうした5Gの恩恵に与るには、スマホも5G対応でなければならない。

 サムスン、LG、シャオミ、ファーウェイなど、すでに複数のメーカーが5G対応のスマートフォンを発売しているが、今年はさらに多くのメーカーが5Gスマホを発売する見通しだ。アップルが今年9月に発売するであろう「iPhone 12」(仮称)も、5G対応となる可能性が高い。通信モデムチップの特許料支払いを巡り、クアルコムと泥沼の法定争いを繰り広げていたアップルが、昨年4月に電撃和解に至ったのは、インテルの5G通信モデムチップの開発が思うように進まず、クアルコムの力を借りない限り、2020年の5G対応iPhoneの発売が難しいとアップルが判断したためと推測されている。

 そしてスマホにおいて、やはりカメラは重要な鍵を握っている。高性能スマホでは今や2個、3個は当たり前、サムスン「ギャラクシーノート10プラス」「ギャラクシーS10 5G」、ファーウェイ「P30プロ」など、4個の背面カメラを搭載した機種も少なくない。ノキアは5個、ライトはなんと9個ものカメラを搭載したモデルを開発中ともいわれ、今年はクアッド(4個)カメラ搭載スマホがさらに発売されるだろう。

 また、グーグル「ピクセル3」「ピクセル4」の「ナイトサイト」やiPhone 11の「ナイトモード」のような夜間撮影機能が強化され、オートフォーカスがより高速かつ正確になり、スーパースローモーションや8K動画が撮影可能なモデルが登場する見通しだ。実際、シャオミが昨年10月、シャープが今年1月に米国ラスベガスで開催された「CES 2020」において、8K動画が撮影可能なスマホの開発を明言している。

 デザインでは、2017年のiPhone X発売以来、ディスプレイ中央上部に、カメラや顔認証用のセンサーなどを収めた切り欠き(ノッチ)のあるモデルが大流行したが、最近ではカメラを小さな穴(ピンホール)に収めたり、画面内に指紋認証を埋め込んだりすることで、ノッチを排除したスマホが数多く登場している。iPhone以外のスマホでは、ノッチは小さく、もしくは消失する傾向にあるようだ。そもそも指紋認証でロック解除するスマホの場合、フロントカメラ以外のセンサーなどを画面上に置く必要がない。

 そして昨年に引き続き、今年も画面部分が折りたたみ可能なスマホが登場する見通しだ。モトローラが昨年11月に折りたたみスマホ版レイザー(一斉を風靡したガラケー)、そして中国TCLもCES 2020において、折りたたみスマホを開発中であることを明らかにした。

 しかし、折りたたみスマホは主流にはならないかもしれない。昨年のCES 2019では、中国ロイヤルが世界初の折りたたみスマホ「フレックスパイ」を一般公開し、注目を集めた。しかし、今年のCESで同社のブースを訪れると、フレックスパイは発売されたものの、中国市場限定だという。その後サムスンが発表した「ギャラクシー・フォールド」は、レビュー用実機で耐久性に問題があることが発覚、発売は当初の予定から半年も遅れた(9月発売。日本では10月)。ファーウェイの折りたたみスマホ「メイト・エックス」も、何度か延期を繰り返し、ようやく昨年11月に発売となったものの、同社は米国政府の禁輸措置を受けているため、米国では販売されていない。またCESの同社ブースで確認したところ、やはりグーグルプレイやグーグルアプリなど、グーグル関連のサービスは利用できないとのことだった。

 まとめると、今年のスマホの最大の注目ポイントはやはり5G、カメラ、デザインというところだろうか。その他、拡張現実(AR)アプリ、細かいところではコネクタ規格(iPhoneのライトニング端子はどうなるかなど)などが気になるところだ。(岡真由美/5時から作家塾(R))

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編集ディレクター&ライター集団

1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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