2020年五輪の東京開催決定で、発表時以外に最も胸を打たれたのは、滝川クリステルさんがプレゼンテーションで「おもてなし」を訴えたときだった。フランス語の流麗なスピーチに挿入された「お・も・て・な・し」。個人的には、これが勝因と思っている。
おもてなしの心は目立たないが、日本人が誇るべき美点といえる。困っている人がいれば一生懸命対応する。気持ちよく過ごしてもらうために、見返りを期待せずに動く。それを意識せずとも行える。海外に行くと「日本は何ていい国なんだ」と痛感する人は多い。
おもてなしの心をぜひ、発揮してほしいのがパラリンピックだ。
現在、日本のバリアフリーはかなり進んできている。法律も施行され、エレベーターや車椅子用トイレ、スロープなども整備されている。しかし日本では、おもてなしの心でハード面にとどまらない力を発揮したい。