日産自動車と独ダイムラーは、行き先を設定するだけでドライバーが運転をしなくても目的地までたどり着ける“完全自動運転車”を2020年に発売する計画を表明している。ホンダも水面下で開発中だ。
10年に開発に着手しすでに公道試験を繰り返している米グーグルは、17年の実用化を視野に入れている。IT業界を巻き込んだ開発競争が激化しており、普及が進めば自動車業界の勢力図が一変する可能性を秘めている。
ただ、これまでハンドリングやエンジンなどの性能を競ってきた自動車メーカーのなかでは、「運転する楽しみ」を奪う、コンピューター制御の自動運転技術に懐疑的な意見も少なくない。
各国の道路交通法は、自動運転を想定していないほか、自動運転車が事故を起こした場合、誰が責任を負うのかといった課題もある。このため、トヨタ自動車では「まずは運転支援としての位置づけだ。法整備も含め、クリアする課題は多い」と指摘している。(SANKEI EXPRESS)