一方、アンディーは、対照的に「あきらめない」男。持ち前の会計知識を駆使し、所長や看守に“便宜”を図る見返りに、刑務所図書館の蔵書や、映画上映の回数を増やすなど、塀の中でもコツコツと服役囚たちの自由を勝ち取っていく。ショーシャンクでただ一人、希望の象徴として描かれる。
「刑務所の囚人たちからすれば、アンディーは突然、舞い降りた聖人のようですが、彼は合理的で当然だと思ったことを行動に移しているだけ。正義漢ぶっているわけじゃない。ずっと希望を絶やさなかったのかといえば、違うのかも…。入所当初はくじけそうになったのでは、とも思います。アンディーの微妙な心境の流れを突き詰めていきたい」と成河はアンディーにも劣らぬ冷静な分析眼を披露し、クールなアンディーの内面に迫っていく意欲を示した。
原作を大胆アレンジ
演出は河原雅彦、脚本は喜安浩平。ともにマルチな才能を誇り、注目を集める2人がタッグを組んだ。タイトルこそ映画版にあやかったが、喜安はスティーブン・キングによる原作「刑務所のリタ・ヘイワース」を大胆にアレンジし、魅力的な女性たちを舞台版ならではの登場人物として加えた。