「ここまで小説とも映画とも違う脚本が書けるなんて、喜安さんには驚きました。その分、簡単には(場面が)立ち上がってこないので、河原さんがとても苦労しています」と成河。益岡も「河原さんが喜安さんの設計図を丹念に形にしようとするのが伝わり、キャストも真っ正面から台本と向き合っています。みんなが思いを一つにしているって感じです」と、新生「ショーシャンク」の上演に向け、現場一丸で生まれた熱の高さを伝える。
心を閉ざさず変化する
そうやって練り上げた舞台が幕を開けたとき、2人は観客に、どんなメッセージを届けたいと考えているのか。
「思考を停止させて刑務所の日々をやり過ごしてきたレッドに、アンディーは『それでいいの』と問い続けました。アンディーの問いは、今の社会に生きる、われわれにも向けられていたのかもしれませんね。固定観念や既成事実、常識など、守らねばならないものだらけの世の中で、何も疑わず、既定路線に従って生きるのが、果たして幸せなの?って」と益岡。