小悪魔マッツに弱みを握られ、ちゃっかり働かされる3人の脱獄囚には、高橋一生(32)、片桐仁(39)、塚地武雅(41)。演技も個性も濃厚なこの面々と長澤が、丁々発止、小気味のよいやりとりを重ねながら、いかに物語を深めていくかが見どころだ。「3人とも芸達者で、キャラが濃い。私はその個性に追いついていない感じ。でも負けて流されていかないように、全身全霊で挑んでいます」
簡単なことなんてない
長澤は、まるで計算ドリルを繰り返す小学生のように「繰り返し練習を重ねていくことで芝居を身につけていった」と語る。とはいえ演技に正解やゴールがあるはずもなく、稽古中に時折、悩んだ。
そんな時、片桐が「このシーン、腑に落ちてないでしょう?」と声をかけてくれたのが、うれしかったという。「倉持作品の経験がある(片桐)仁さんから助言をいただくと、ストンとせりふが腑に落ちて一気に解決したんです。現場でお芝居にアドバイスをもらうことはあまりないから、うれしかったですね」