医療法人徳洲会(とくしゅうかい)グループの公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部などは11月12日、一斉捜索から約2カ月での関係者逮捕に踏み切った。捜査のポイントは、グループ創設者の徳田(とくだ)虎雄元衆院議員を頂点としたピラミッド型組織の中で、誰が職員派遣を計画し実行に移したのかという点に集約された。今後の焦点は、候補者である徳田毅(つよし)衆院議員の刑事責任追及に移る。
「誰が企図して、誰が推し進めたのか。その点を捜査で解明する」
9月17日の家宅捜索後、ある捜査幹部はこう語気を強めた。
特捜部は昨年の衆院選から約9カ月かけて内偵捜査を展開。一斉捜索以降は、選挙区に駆り出された職員数が予想を超えて約500人規模になったため、警察の協力を得て、調書作成の全国行脚を綿密に進めた。
その一方で、一連の運動員派遣を主導したのは「毅を総理にする」などと病床から檄(げき)を飛ばした虎雄氏と推定。発言を記録したパソコンを押収するなどし、トップの言葉を詳細に分析した。