ちなみに筆者の個人的体験だが、アラスカの空港のキャビアコーナーで、瓶詰めのランプフィッシュ着色卵をホンモノの5分の1ほどの値段で買ったことがある。その瓶にはちゃんと「EGGS OF LAMP FISH」とのラベルが貼ってあった。だから日本の法律でいう不当に客を誘導する「優良誤認」の禁止に違反するものではない。ただ、英語の読めない人はだまされる。卵はホンモノほど大きくなく、味もホンモノ特有の「まったりさ」がなく値段相応でしかなかった。だが、ホンモノを知らなければ、比べようもない。
気づいていた学生たち
大学のゼミで、この食材偽装問題を取り上げたのだが、驚いたことに、心の底から怒っている学生が一人もおらず、「ファミレスでも、そんな値段で黒毛和牛が食べられるわけがない」「お客が満足していればそれでよい」といった意見が目立った。「自分は気にしないが、母はスーパーでの買い物で産地を確認している」という声もあった。