「幸い、油は売るほどありますからね。店ではパンにつけて試食していただいていますが、せっかくならお料理も食べていただきたくて」と笑う。
揚げ油は常時5種。冒頭の「なたね赤水」のほか、「あっさりなたね油」「コーンオイル」などを季節にあわせて使う。矢野憲司店長によると、秋も深まるこの時期はふくよかで香りが高いタイプがいいそうだ。
油もいろいろ
綾綺殿の1番人気はというと、やはり日本人が大好きな、とんかつだろう。しっとりと軟らかい高知県産の四万十ポークを使い、「なたね赤水」でカラリとコクのある味わいに揚げる。衣はサクサク、肉汁がじゅわ~としみだし、軽いのに味に深みがある。
「油は裏方ですからね。家で使っていただくと、はっきりと違いがわかります」と浅原さん。もちろん、ソースにもこだわりがあった。写真は「オレンジ風味のとんかつソース」(おろしポン酢、自家製デミグラスソースから選べる)で、本場イタリアで探してきたソレントの「オレンジオリーブオイル」を使ったもの。さわやかなかんきつ系の香りがいっそう食欲をそそる。ほかに「レモンオリーブオイル」もあり、現地産のオレンジやレモンの香り成分をオイルに移したものだ。ホタテなど魚介類のソテーやサラダにもあうという。