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「たまたま」と「まぐれ」の経済学 「偶然」と「運」を実力だと勘違いしないように 松岡正剛 (1/5ページ)

2013.12.3 17:30

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 【BOOKWARE】

 一獲千金を夢見る者は、ルーレットの前で赤が出る確率を祈っている。しかし、どんな賭博も胴元が儲かってきたことは歴史が証明している。偶然と度胸だけで勝ち続けることなんて、ムリなのだ。それでも株屋やトレーダーやウォンツたちは、「見えない法則」を確信してマネーゲームに興じてきた。

 子供の頃、われわれは「成功は努力の賜物です、失敗は不注意でおこります」と聞かされてきた。大学に入ると「自然や社会にはルールがひそんでいる。それを発見するのが学問だ」と教えられた。偶然にはルールはないということだ。社会人になってみると、今度は「不確実な世の中でそれでも勝ち続けるのがビジネスだ」と言われるようになった。不確実とは偶然が支配する確率が大きいということだ。どうも世の中、何が基本になっているのか、よくわからない。

 いまやビッグデータ時代である。再び統計学が売れっ子になっている。ところが同じく統計学を駆使したはずの金融工学は世の中にマッドマネー幻想をふりまいて、結局はリーマン・ショックをもたらした。統計学が伝家の宝刀にならないことは、そのときそこそこわかったはずである。実際にも金融工学的な統計法則にいくつもの怪しいところがあることは、すでに『まぐれ』や『ブラック・スワン』を書いたナシーム・ニコラス・タレブらによって暴かれていた。

性懲りもない現象 ビッグデータから確実な“読み”がほしくなる

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