臨時国会では、政府・与党が重要法案に位置づけた特定秘密保護法案成立をめぐる与野党攻防が繰り広げられた。その陰で本来、是が非でも成立させるべきでありながら提出さえ阻まれた“もう一つの重要法案”があった。
民主党の分厚い「壁」
それが「水循環基本法案」だ。内容は、水資源を「国民共有の貴重な財産」とし、首相が本部長を務める「水循環政策本部」を内閣に設置して7つの省庁がバラバラに管理する国内の水資源を一体的に管理することなどを柱としている。
「日本の水資源を守れ!!」と訴える超党派の「水制度改革議員連盟」=会長・石原伸晃(のぶてる)環境相(56)=は議員立法で先の通常国会にこの法案を提出し、6月18日に衆院本会議で全会一致で可決された。むろん与野党の「対決法案」になる性格のものではない。それに先立つ衆院国土交通委員会での審議時間も半日程度で、つつがなく処理された。