それは、夫を亡くした10人ほどの女性グループによる養蜂を視察した時のこと。夫を亡くした女性たちの生活は厳しい。しかし、女性らは、養蜂活動により地域の平均所得より高い収入を得ることができるようになり、地域の15人の子供たちが中学校で学べるよう支援していた。「1人の女の子は大学まで進み、この地域の医者になるために勉強しています」と誇らしげに話した。弱い立場に追い込まれる可能性のある女性たちが、地域の子供たちを支援し、その子が将来地域に貢献することを夢みて学業に励んでいる。日本からの支援が実を結びつつあるような感銘を受けた。
代表的なマサイ文化の一つに、美しいビーズのアクセサリーがある。実はビーズは昔からアフリカにあったものではなく、持ち込まれたビーズをマサイの人たちが自らの文化として取り込んだものだそうだ。今日では世界約90カ国にまで広がったWVの活動だが、それぞれの支援地域での活動が、人々にとって、そして子供たちにとって有益なものであると感じてもらえればと願っている。