≪伝統に培われた技を新しい発想に生かすと「ものづくり」の可能性が広がる≫
日本人の食生活には欠かせない、古くからなじみのある生姜(しょうが)。最近では健康志向の高まりから健康食品や美容アイテムとしても大変注目を浴びています。その一大産地となるのが高知県。今回は、水が命ともいわれる生姜栽培に有機農法で取り組む「四万十オーガニックファミリーズ テレサファーム」の大森行彦さんを、高知県高岡郡四万十町(しまんとちょう)に訪ねました。
世界各地で香辛野菜や民間薬として広く用いられる生姜の原産地は、インドからマレー半島にかけてのアジア南部といわれます。中国では紀元前から薬用にされてきた記録もあり、日本に伝わったのは3世紀頃、食用として一般的になったのは江戸時代になってからのようです。漢方として重宝されてきた生姜ですが、近年、生姜の持つ有効成分が徐々に明らかになってきており、辛味成分のジンゲロール、ショウガオールの血行促進、抗酸化作用、脂肪燃焼作用などの効果も改めて知られるようになってきました。薬味に使われるミョウガや漢方や香辛料として使われるウコンもこの仲間です。