≪中朝触れず アジア重視は形だけ≫
大半は中東・アフガン
オバマ大統領は一般教書演説の中で、アジア重視戦略の継続を表明した。だが、中国の「脅威」と北朝鮮の核問題など、北東アジア情勢には一切触れず、アジア重視の「体裁を取り繕っただけだ」(共和党のマルコ・ルビオ上院議員)との批判を招いている。
1時間強の演説のうち、外交・安全保障政策に割かれた時間はわずかで、その大半が中東、アフガニスタン問題で占められた。
そうした中でオバマ氏は、アジア太平洋地域に言及し「重点的な取り組みを続け、同盟国を支援し、より大きな安全と繁栄の未来を形成する」という表現で事実上、アジア重視戦略を確認した。「フィリピンのように自然災害により壊滅した国に(支援の)手を差し伸べる」とも指摘した。しかし、東シナ海上空に防空識別圏を設定するなど覇権拡大と実効支配の動きを強め続ける中国の「脅威」には、口を閉ざした。