論文受理まで5年
「誰も信じてくれなかったことが何より大変だった」。研究発表の会見で、小保方さんはこう振り返った。スタートは2008年。ハーバード大で担当教官との議論から始めた実験で偶然、外部刺激による初期化の知見が得られた。だが実験は一進一退。共同研究者すら見つからず、「泣き明かした夜は数知れないが、今日だけは頑張ろうと思ってやり続けた」。
ネイチャーへの最初の論文投稿では「何百年の細胞生物学の歴史を愚弄している」とまで否定された。「きっと間違いだ」と、周りの研究者も首をかしげたが、「必ず人の役に立つ」との信念を貫き、約5年で論文受理にこぎつけた。
千葉県松戸市生まれ。高校時代にたまたま手に取った科学雑誌の特集記事で「社会に貢献できる」と再生医療に強い興味を持った。「お風呂の時もデートでも四六時中、研究のことを考えていた」というほどの研究の虫。