南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)撤廃闘争を主導し、昨年(2013年)12月5日に95歳で死去したネルソン・マンデラ元南ア大統領の遺言状の内容が2月3日公表され、4600万ランド(約4億2000万円)に上る遺産の分配先が明らかにされた。注目されたのは、旧白人政権の弾圧でマンデラ氏が27年半に及ぶ刑務所生活を強いられていた間、最前線に立って夫の政治活動を支え、離婚後も強い絆で結ばれていた2番目の妻、ウィニーさん(77)が相続人に含まれていなかったことだ。マンデラ氏の真意はどこにあるのか。
離婚も最期まで世話
遺言状は執行者の司法副長官がヨハネスブルクで記者会見して明らかにした。マンデラ氏の遺産はヨハネスブルクの自宅や故郷である東ケープ州の邸宅など複数の不動産をはじめ、自著の印税やその他の著作権使用料など。遺言状によると、全体の半分は現在の3番目の妻、グラサ・マシェルさん(68)に相続権があり、残り半分を約30人の他の遺族や元個人秘書らスタッフ、学校、マンデラ氏が議長を務めた与党、アフリカ民族会議(ANC)で分割する。フランス通信(AFP)などが伝えた。