第3の道あるか
バブル崩壊というのは、金融の現象である。不動産相場の崩落のために、不動産関連融資が焦げ付き、金融機関の不良債権が膨らむ結果、銀行などは信用不安に陥り、預金は集まらないし、金融市場で資金調達もままならなくなる。銀行は新規融資どころではなくなり、貸出金をとにかく回収しようとするので、カネが回らなくなる。
国全体の実体景気が急速に落ち込んだ後、長期不況に陥る。企業も経営難で収益率が下がるので、株価も急落し、回復しにくい。これが1990年代初めの日本のバブル崩壊とその後の慢性デフレ不況の実相である。リーマン・ショック後の米国は日本の二の舞を避けるために、大々的にドルを刷って金融市場に投入し、株価を引き上げ、大恐慌になるのを防いだ。中国には第3の道があるのか。
影の銀行から投入
中国人民銀行のデータによると、銀行による不動産関連融資の残高は昨年(2013年)末で14.6兆元(約246兆円)に上る。このうち、バブル融資になる可能性がある融資はリーマン後に党中央が指令して大々的に貸し出した分で、08年末からの増加額の9.3兆元(約157兆円)である。