「金持ちのバカ息子」にもリクリエーションが必要となった。1979年の中越戦争を最後に大規模な実戦はない。軍人として戦った世代が、中国共産党指導層で少なくなり、文民指導者は軍の支持を得ようと待遇改善を繰り返した。結果、軍は有力な就職先となる。企業や大学、官庁と人気は逆転したが、そうした人気組織の試験に落ちた若者の収容機関と化し依然人気は低くない。より良い配置に就こうと賄賂が横行。「裕福で頭が悪いお坊ちゃま」が、軍にドッと流入する事態を生んだ。
一人っ子を溺愛する過保護な親も、高収入であれば兵役逃れのため袖の下を使う。
しかし、受け入れる軍当局側の腐敗は、正規任務と勘違いしてしまうほどのスケールを描く。戦闘機360機のアルミ合金部分密売▽戦車と装甲車1800両が解体→密売▽地方の役人と結託し銃器27万3000丁を密売・密輸▽軍用地転売で20億元(337億円)の“副収入”を得た中将▽出入り業者から1億6000万元(27億円)の賄賂を受けた中将…。