【京都うまいものめぐり】
古都・京都には、国内外を問わず多くの観光客が訪れる。海外や府外からの客を案内する側も、なるべく京都らしさを味わってもらいたいと食事場所にも気を配る。祇園にある「祗をん 豆寅」は、小さな器にのせられた京料理や一口サイズのすしなどを提供する、見た目も味も申し分ない“THE KYOTO”な店として愛されている。
祇園の中心を通る花見小路通(はなみこうじどおり)には、由緒ある茶屋や料理屋が立ち並び、情緒ある町並みだ。「祗をん 豆寅」は都をどりで有名な祇園甲部歌舞練場の向かいにある。格式張らずに京都らしさを味わえると人気の店だ。目の前に供された数々の「豆皿料理」に思わず顔がほころぶ。
一口のぜいたくを極める
「京のおいしいものを少しずつ味わっていただきたいと思い、『豆皿料理』という名でお出ししています」と料理長の木村和義さん(41)が説明する。「豆皿」とは、塩や香の物などをのせる小さく浅い皿「手塩皿」の別名だ。一寸豆や湯葉、数の子などを使った京の伝統的なおばんざいを中心に、紹興酒漬けにしたエビといったオリジナルの一品も。どれから食べようかと迷うのも楽しい。「お酒がほしくなりますね」という人も多いはず。